ゴレンジャーの魅力を考える  


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 最近レンタルビデオでゴレンジャーを借りてみたのです。今見るととてもよい。それがとても魅力的に感じるのはなぜか。ゴレンジャーについて考えてみたいと思います。
1)キレンジャー
 私が思うのはキレンジャーの存在です。5人の中ではギャグ部門というか、ずんぐりむっくりしていてお世辞にもかっこよいとはいえず、いつもカレーを食べていて、九州弁でなぞなぞの話で盛り上がったりする、個性的な存在です。子どもたちと一緒に野球をしたりするような面もあります。キレンジャーはとてもヒーローっぽくみえないのですが、それが5人の中に入っているというのがとてもよいのです。キレンジャーは、他の4人があまりにもカッコよいということを引き立てています。キレンジャーとアオレンジャーが並んでいるためにアオレンジャーはカッコよく見えるのです。アオレンジャーだけでもかっこいいというかもしれませんが、そういうのは「慣れて」しまうので、カッコ良い姿を見せるためには、いったん普通の姿を見て目をそっちの方に慣らしておくことが大切なのです。今こうやってキレンジャーを見ると、とてもいいですね。キレンジャーは物語全体ではギャグ担当のようですが、決してボケ担当ではなく、ウケをねらっているわけではありません。残りの4人がツッコミをするわけではないのです。自然体で、とてもふつうなのです。それがふつうであるからこそ私たちはほんわかするのです。普通の人間が、この5人の中に入って、場合によっては真ん中に立ってポーズを決めるのです。こんな存在が、次からの戦隊ヒーローものには出てきません。それは大問題だと私は思います。ヒーローものは主人公たちをかっこよく見せることが必要ですが、そのための一つの条件がキレンジャーなのです。後続の番組でキレンジャーを継承していれば、もっと盛り上がったはずだと私は思います。
2)モモレンジャー
 次に思うのは、モモレンジャーです。ピンクではなく、モモなのは、太ももを強調したかららしいのですが、モモレンジャーの魅力は、そのまっすぐさにあると思います。女だからといって軟弱な姿は見せていませんし、きゃぴきゃぴしているわけでもありません。そもそも笑ったり、愛想笑いをしたり、普通の女の子っぽい姿は殆ど見せていないのです。アイドルのように媚びたり、ぶりっ子したり、というのは全くありません。モモレンジャーはただひたすら自分の使命を全うしているという感じでしょうか。敵が来たらまっすぐに立ち向かっていき、ばったばった倒していきます。そこには女性らしさ、美しさもしっかり表現しています。爆弾を投げるさいに「いくわよ!」と言います。彼女は、テレビを見ているおじさんのこととか、子どものことは全く見ていません。ただただひたすら敵だけを見ています。(そういうふうに演じています)このことは他の4人もみんなそうかもしれません。敵を倒すことにあまりにも一生懸命なのです。だからかっこいいのです。最近の戦隊ものではまるでアイドルのようです。ああいうシーンを出してしまえば、どんどんカッコよく見えなくなってしまう。また、5人のヒーローに女性が二人もいることには反対です。男女平等云々ではありません。基本的には命がけの戦いなので、圧倒的に女性は少ないはずなのです。テレビ的に言っても女性が二人いれば、それだけ美しい存在は分散されてしまい、美しく見えてこないはずです。女性芸人のようにギャグ担当ならばまだ分かりますけど。
3)黒十字軍
 敵の黒十字軍は、番組が後半になればなるほど、おちゃらけたギャグ志向によっていきます。あれは私は反対です。最初の頃の、不気味で恐ろしくて、世界征服をたくらむ悪の秘密結社というあたりが好きです。悪者は、基本的には世界征服をたくらんでいなければなりませんし、実際に弱い一般市民を苦しめていなければなりません。それがなければヒーローの存在意義がないのです。番組の最後、大平透が叫んでいます「五人の力を一つに、世界を守れ、ゴレンジャー!」この言葉が真実味を帯びてくるのは、悪者が悪者として行動しているからなのです。番組は途中からあまり悪いことはしなくなり、単純にゴレンジャーを攻撃するためだけにやってきます。これはマイナスポイントだと私は思います。後の戦隊ものも、悪者がどれほど悪いことをしているのでしょうか。黒十字軍は、最初は幼稚園児を襲ったりしていました。これは笑う人もいるのですが、私はこれでいいと思うのです。しかも大勢で行動するというのが大切です。主人公が5人いるので、敵は少なくとも15人以上は必要です。そうしないと一人が一度に3人以上を倒しているという姿が見えなくなるのです。戦闘員がばたばた倒れて最後にボスだけが残ることになるのですが、その時の映像は一人を5人が攻撃しているという形になるので、それは絵になりません。ゴレンジャーはその絵になるのを出来るだけ避けています。ゴレンジャーストームとか、ゴレンジャーハリケーン等です。(最近の戦隊ものは一人の敵とヒーロー5人が長時間にわたって戦っているので、とても見苦しいです)戦闘員は真っ黒がいい。それは主人公たちのカラーを美しく見せるからです。敵がギャグっぽいというのは良くないです。製作者たちはなんとかマンネリ化を防ごうとしていたのだと思うのですが、まるでドリフかひょうきん族のようです。もっと真面目に敵っぽくあった方がいいです。敵は悪だくみをする必要がありますが、知恵という点では主人公の方が圧倒しているべきです。このあたりはゴレンジャーはよく出来ていました。黒十字軍がいくら陰謀をはりめぐらしても、すぐにゴレンジャーにばれてしまう。ちょっとはまぬけくらいがちょうどいいのでしょう。視聴者である小学生が理解できるようなレベルにしなければなりませんので。黒十字軍を人間的に描いていない点はとても良いと思います。最近の戦隊ものは、敵が敵らしくない。人間的に描かれているので、そもそも敵を倒す必然性がなくなるのです。
4)戦い方
 最もかっこいいのは、一人の主人公が一斉に襲ってくる3人以上の敵をバタバタと倒していく姿です。ゴレンジャーはそれが見事です。みんなよく動いているのです。大野剣友会などの協力によるものでしょう。狭い建物の中や、岩や崖の多い場所ですばやく動く姿はとても魅力的です。最も大切なのは後半の勢ぞろいするシーンです。離れた高い場所に立って登場し、一人ずつ名前を叫んでいき、ジャンプして勢ぞろいして、きれいに並んでゴレンジャーと叫ぶ姿は、なんど見ても鳥肌ものです。特に前期(1年目)の方がそれはよく描かれていました。あんなにカッコいいのに、途中からどんどん離れていきます。番組が始まってすぐに5人が揃って変身してしまいます。あれはダメだと思う。揃うのは最後の5人間だけでよいのです。おそらく製作者たちはマンネリ化というものと戦っていたのだと推察します。水戸黄門と同じで、マンネリ化でよかったと私は思うのですが、番組では新しい試みを次から次へと起こしていきます。番組の開始直後から5人が揃うこともありました。他にも困ったのは、巨大な武器です。バイクとバリブルーンまでは良かったのですが、2年目に入ると、バリドリーン、バリタンク、バリキキューンが登場し、(しかもそれを操縦するのが007という美女)せっかくのよい姿がどんどん省略されていきます。玩具を売りたいということもあるのでしょう。その切実な背景はあったかと思うのですが、ヒーローものとしての魅力は半減してしまいます。かっこいいのは武器も何も持たない人間が、武器や人数で圧倒している敵をバタバタ倒していくという点にあるのです。重機や武器があれば誰でも敵を倒せるということになります。007というのは、マイナスポイントです。あそこで不器用で失敗ばかりするおじさんを登場させていれば、5人はもっとヒーローとしてカッコよく見えたはずなのです。最近のヒーローものは本当にダメです。巨大ロボは絶対に不要です。もし巨大ロボで玩具を売りたいのならば、10歳くらいの少年が操縦するという物語にするべきです。どう考えても、最後の最後で敵が巨大化してロボットが登場して合体して敵を倒すというのは、まぬけです。操縦席でポーズをしても意味はありません。カッコよく見えてこないのです。決めポーズは風景とセットできまります。子どもの感性というものを馬鹿にするべきではありません。カッコよく見えないから「明日も見たい」とは思わないのです。
5)まとめ
 分かりやすい歌とか、バイクのカッコよさとか、爆発シーンのすごさとか、他にもたくさんあるのですが、ゴレンジャーのような魅力的な番組の良さが継承されないのは残念でなりません。かっこいいものを見せようとして作品を作ることは大切です。ゴレンジャーは特に初期の頃にはうまくいっていました。この魂は、どこに行ってしまったのでしょうか。
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Posted on 2018/01/08 Mon. 00:06 [edit]

category: アニメ・特撮

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