教師にネームプレートは必要か  

 小学校や中学校ではないと思っていたのですが、そういうところもあるようなのです。わりと大学では増えてきたようなのです。ネームプレートに写真までついたものを首からぶら下げるなんて、教員としては考えられないというのが私の考えなのですが、
ここで検討してみたいと思います。
 教員がネームプレートをつける理由を私なりに推察してみますと。

1)教員は、公務員である、あるいは(私立の場合)会社の職員であるということを明示する。
 教員はわりと上から目線で威張っているように見えます。いくら威張っていても、しょせんはサラリーマン。誰かがお金を払っていて、教員は給料をもらってサービスをしているのです。それをはっきりと示したいのでしょうか。上の人間が部下を統制しているということ、教えるということについて許可しているということ、認められているから働いているということ、などを示したいのでしょうか。
 まるで犬の首輪?

2)学校や大学の内外で接する相手は、基本的には客。
 公務員の場合は納税者です。みんながあなたの名前を知っているわけではないので、それを示すのです。ホームページに明記するのと同じ意味で、お客様のために示す。学校や大学の中で出来れば全ての人間がネームプレートを掲げるのが理想で、それを最初に率先しているのが教員、という考えでしょうか。

3)せっかく作ったのだから、全員に持たせておけ。
 よく分からないけど、ないよりはあった方がいいんじゃね。

これくらいのことしか、思いつきませんでした。

で、私は勿論、反対です。

反対の理由

1)教員、教師、教育者、何と呼んでもいいのですが、私たちは児童生徒学生を育てることが目的です。育てるために、私たちが持っている道具は、せいぜい言葉と表情と服装くらいしかありません。外部の人たちは教師が威張っているように見えるかもしれませんが、服装や表情はその教えるという行為の文脈の中で、必然的に決まったスタイルなのです。例えば、教師の中にはジャージでうろうろしている先生もいます。それは決してリラックスしているのではなく、いつでも戦闘態勢ということを子どもたちに示しているのです。それぞれの先生のスタイルがあります。全ては演技のようなものなので、服装や表情は、その教える中身や人格と結びついているのです。ネームプレートはその「教える文脈」を壊してしまうのです。
 金八先生がネームプレートをつけていたらどう思いますか。金八先生が良いか悪いかは別として、伝わるものが伝わらなくなってしまいます。坂本金八が怒っているのではなく、サラリーマン教師が仕事なので仕方なく怒っている、というふうに見えてしまう。

2)ネームプレートは、いわば下の人間が上の人間に対して示すものです。レストランの店員さんがネームプレートをつけて、お客様が名前を呼ぶ時に呼びやすくするのです。結局のところそれは、過剰サービスです。お客様が金を払ってサービスを受けるということを、いかにスムーズにするかということを追求しているのです。相手の名前というものをあまりにも軽く扱いすぎているように思います。学校教育はそういう場ではありません。豊かなコミュニケーションの空間です。出会った最初に自己紹介することは必要ですが、それ以降は信頼関係によって成立していくのです。
 ネームプレートをつけるということは、あなたの名前は忘れますよ、豊かなコミュニケーションをしませんよ、ということなのです。指示命令だけで要件を済ましてしまう、そんな関係なのです。

3)いわゆる学校という空間をどのようなものととらえるかです。英会話学校のような、不特定多数がどんどん入ってきて、地域住民や保護者や、いろんな人が入ってくる。またそれを学校も奨励している。そういう場合であれば、ネームプレートは必要かもしれません。しかしそれは外部の人間に対する表示であって、子どもに対する表示ではありません。そういう流れがあるのかもしれません。児童生徒(学生であっても)が必死で学問にはげむためには、教室という空間が、他の社会から切り離された特殊な雰囲気であるということが大切です。
 ネームプレートをつけて確認したり証明したりしなければならないようなそんな空間は、勉強にも、学びにも、成長にも、不適切な空間だと私は思います。

 いかがでしょうか。
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Posted on 2017/10/01 Sun. 00:28 [edit]

category: 社会・教育

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