「政党政治について」「選挙における自民党の圧勝について」考  





選挙に投票しない人がいます。

マスコミは「なぜ行かないのですか?」と問う。

行かないという主張があたかも一定の説得力を持つかのように扱ってはいけません。


また、投票率を上げるということを、

コマーシャルやポスターで訴えるというのも、変です。


投票率が低ければ民主主義が不完全なのでしょうか?

投票率が低ければ全ての選挙が無効になるのでしょうか?

それは関係ありません。

棄権は個人が勝手にやったことですから、無視してよいのです。


公正な選挙を行ったのであれば、

投票率が10%であったとしても、

その結果は、民主的手続きに沿った極めて正当な結果なのです。








1.


さて、先日選挙が行われました。

あの自民党の圧勝は、とても信じられません。

不思議です。



もともと保守的な人が、

常に自民党に票を投じるということは自然です。




不思議なのは、あまりよく知らない人が、

その多くが自民党に入れたということです。


投票した人のどれだけ多くが、

民主党と自民党の理念の違いを説明できるのでしょうか?


民主党が増税しなければ、おそらく自民党が増税していたでしょう。

長年原発を進めてきたのは自民党です。

自民党は、「民主党の進めるTPP」に反対といっているのであって、

方向性には賛成しています。

国民の殆どが原発反対、TPPには懐疑的ということなのに、

なぜ、その世論とは逆の方向の政党に投票するのか、


全く分かりません。



おそらく多くの人々は次のように思ったのでしょう。


  民主党は信用できない。

  維新も未来も信用できない。

  まだ自民党の方がましかな?



おそらく多くの人々は政党ではなく、人物を見ているのです。

人物がそれらしいもっともな発言をしていると信用してしまうのです。


しっかりしてそうな人に任せる、

ホンキでやってくれそうな人に任せる、


それは、とても「危険」なことです。


まるで目の前の彼をうちの社員として採用するかどうかを

考えているかのようです。




まるで政治家を上から目線で、

お前たち、失敗したんだから、罰として落選させてやる。

といっているかのようです。

それではダメです。




街頭でインタビューを受けた人が

「政治家の人はもっと真剣にやってほしい」等といっていると、頭に来ます。

真剣かどうかで選んではいけません!








政策についての発言は、みんな同じです。

現在の政党乱立状況で、

その議論には大きな違いはありません。

行政の無駄をなくす、

子育て支援に力を入れる、

社会福祉に力を入れる、

景気対策に力を入れる、

雇用対策に力を入れる、

誰もが納得するようなことを並べているようなものです。

全て、「目の前の課題を真面目にやりますよ」程度の発言です。


そういう点でいえば、全ての政党が似たり寄ったりなのです。


政治家が政策を説明し、国民が分からなくなる。

なんとなくよさそうな人に入れる。


これでは、良い選挙どころか、良い社会にはなりません。









2.


エネルギー政策をどうするか?

TPPをどうするか?

デフレ脱却のために何をするか?

それらが極めて重要な論点です。

おそらくその方針で政党を結成すれば、

政党政治はうまく機能すると思います。



しかし実際にはそうなりません。

自民党の内部で意見が分かれ、

民主党の内部で意見が分かれる。

にもかかわらず同じ党の中にいる。

もう、それでは政党の意味はないと思います。



TPP賛成の政党と

TPP反対の政党が存在し、

選挙によって議論する。

それこそが政党政治だと思います。



現在のところ、

極端な主張を抱え込むとそれに反対する人が出てしまうので、

曖昧な状態にしてしまうのです。



現在、

党内の反対派に配慮して、明言を避ける、

あるいは争点にしない、という不思議な現象が起きてしまっています。

全くもって何のための政治か、何のための選挙か、分かりません。




民主党が(増税やTPP等の)意見をまとめた際に、

民主党から離れて、自分の理念を明確にした人たちは、

私は立派だと思います。



多くの人々は、民主党が勝手に税金を上げたこと、

TPPに参加しようとしたこと、

原発をゴーインに再稼働しようとしたこと、


それらに対して不満があったと思います。


そうであるとすれば、選挙では、必然的に、

票は、民主党離党した人々に集まるはずです。


それが自然なプロセスだと思うのです。

しかしそうならなかった。



多くの人々が原発に反対し、TPPに反対し、ワーキングプアに反対していたはずです。

その世論がそのまま次の選挙に反映されるはずです。

そこに突然「地方分権」を掲げる政党が出てきて、

古い政党が「憲法改正」を訴え、

その古い党に票が集まるというのは、

どうして?


官僚のいいなり、税金の無駄遣いが嫌ということで自民党から民主党へ移行したのに、

いくら民主党がダメだからといってまた自民党に戻るというのは、

本当に謎です。









国民は、政治家が言葉を発するとその言葉だけを聞きます。

マスコミはその言葉だけを一覧表にして提示します。


しかしほとんどが争点といえるような争点ではありません。


憲法改正は、それほど重要なことではありません。

緊急の課題ではありません。

「曖昧な状態のままにしているとプライドが傷付く」というような程度の話です。



官僚制云々の批判とか、

政治家の給料を下げよとか、

そういうのも、本当にどうでもいい話です。

一票の格差も、現時点では、

そんなに大きな問題であるようには思えません。

(それより小選挙区制度に違憲判決を出した方がいいのでは?)

世襲議員の件など、

本当にどっちでもいいという感じです。



景気対策が大切だというのは、どの党も同じです。

インフレターゲットの話が突如として出てきましたが、

ああいうのは、国会に提出すれば、みんなが納得するようなものです。

争点にならないのです。

なぜ、それを争点かのように提示するのでしょうか?



国民は、ますます分からなくなります。

そして、しっかりしてそうな印象のあるところに投票します。








3.

マスコミは特定の政党だけが有利になるように報道するのはよくないと思うのですが、

何を選んでも国民の自由ですということを強調するあまり、

原発の問題、TPPの問題を徹底的に討論するのを避けているように見えます。



  ○○党は賛成、その理由は△△

  ○○党は反対、その理由は△△

  さあ、どっちを選ぶかは有権者次第。


  そういう水準でとどまっています。



最も議論するべきときに、

あたかもカレーかスパゲッティかというような並べ方でよいのでしょうか?


あまりにもドライすぎて、


「僕は○○党の方針を支持します」


という言葉さえも言ってはならないような雰囲気があります。


それは国民に突き放しているだけのような気がします。



議論が必要です。


それは党首をずらりと並べて一言ずつ話すというのではありません。


今後の展望などについて解説することが必要です。


もっと時間的な広がりの中で検討しましょう。

現在の課題について分析し、展望を示し、

選挙でA党が勝利したらこうなる、B党が勝利したらこうなる、

という将来図をシュミレーションするということです。

しかも、頻繁に選挙が行われるわけですから、

展望についての解説と、

ここ数年で実施することについて、分けて理解するべきです。





やはりそれはマスコミの仕事だと思います。



マスコミは、政党を後ろから動かしている団体については殆ど取り上げません。

本来は、この政党がどういう階層の意見に左右されるのかという点も重要です。



マスコミは、政治家の言葉だけをとらえて、並べて、

国民は、その中から自分なりの判断で投票する。

一見すると、ちゃんとした選挙であるかのように見えるのですが、

それはとても危険なことだと思います。







4.


重要なことは何でしょうか?

政党政治の意味は何でしょうか?




重要なことは、政党が掲げる理念です。


自由とか平和とかそういう抽象的な言葉ではなく、


自由貿易を拡大するか、保護貿易を維持するか、

法人税を上げるか、消費税を上げるか、

中国と戦争するか、アジア諸国と連携するのか、

地方分権か、中央集権か





その理念が大切であって、

理念のもとに結集するのが政党です。


それがうまく機能して、はじめて国民はその政党に投票できます。

似たりよったりの政党が乱立してしまえば、

どっちが信用できるかという漠然とした曖昧な基準だけが残ってしまいます。




一つの政党の内部に様々な意見があるというのは、問題だと思いますし、

「あいつらと一緒じゃ嫌だ」といって政党を出ていき、

「俺政党」をつくるなんてのもダメです。

国民は、民主党が無駄を省くからといって投票し、

不十分だったからといって今度は自民党に投票する。




こんな状態では、政党政治とは言えないと思います。


似たような政治集団があって、こっちがダメならあっち、

というのでは政党政治ではありません。







以上のすべては、

小選挙区制度の問題かもしれません。


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Posted on 2012/12/18 Tue. 22:02 [edit]

category: 社会・教育

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