特撮テレビ『がんばれ!!ロボコン』感想  

 特撮版のロボコンです。このドラマを見ていると悲しいのです。とても。切なくて、切なくて、泣けてきます。一生懸命にみんなの役に立てるように努力しているのです。ロボコンが意図的に人を傷付けようと思ったことはありません。全てよかれと思って、手を出して、全て失敗するのです。ロボコンがゴキブリを見つけて暴れてしまうと、壁やドアが壊れてしまいます。でもその心境は、誰だって分かるはずです。そして最後はいつも「0点」です。私が悲しいと思うのは、失敗するからではありません。失敗し、誰もロボコンを理解しようとせずに、時には罵倒を浴びせられ、文句を言われ、それでいて、ロボコンが「明るい」からです。あんなに一生懸命にやったのに、パパさんも、ママさんも、あるいは子どもたちだって、冷たい言葉を浴びせるのです。あんなに周囲からボコボコに批難され、家出をして、ガソリンが切れてしまう。あんなに冷たく扱われているのに、次の瞬間にはニコニコしながら歩いています。だから悲しいのです。とても。

 おそらく唯一、由利徹が演じる警察官だけは、自転車で通りかかりながら、ロボコンを心配しているようです。このままではロボコンがあまりにも可哀そうすぎる!!エンディングは、楽しそうな軽快な歌です。悲しいドラマというのは、かくあるべきです。最近のドラマにしても映画にしても、視聴者を泣かせるために、演者が大泣きするのです。「もらい泣き」を期待しているのです。同情の涙です。でもそれは、雰囲気だけで泣いていることが多いのです。本当に悲しく思えてくるのは、主人公が不幸であるにもかかわらず、不幸を感じていないからです。逆に、たいした不幸でもないのに、わんわん泣いていたりすると、(特に恋愛物語に多い!)なんだか、しらけてしまいます。話は少しそれますが、『男はつらいよ』の最も感動する場面は、恋する女性にふられてしまい、深く傷付いているにもかかわらず、あっさりと笑ってすまそうとする寅さんの仕草(特に後ろ姿)です。本当は大泣きして酒飲んで暴れたいくらいなのに、それはカッコ悪いという理由で、笑ってごまかそうとする。その瞬間のために、2時間引っ張るわけです。
 話はロボコンに戻します。私たちは、ロボコンのように、「プロセスは無視され、結果だけでガミガミ叱られている姿」を見ると、可哀そうに思えてきます。ロボコンは、気持ちは何も悪くないのに、周囲の人々に迷惑をかけるという結果を出してしまうのです。ロボコンが責められるのは、「結果を出さないから」です。で。思うのです。いかなる理由があっても、いかに本人に悪気がなくても、失敗は失敗です!叱られるべきなのです。そうなのです!実はそれはとっても大切なことです!実際の社会生活は、プロセスは評価されず、結果が評価されるのです。私たち現代人は、忘れかけていることです。私たちは、「結果よりもプロセスの方が大事」と思ってしまう傾向があります。しかしそれは「どんなに迷惑をかけていても、悪気がなければいいじゃないか」ということになってしまうように思います。
 『ロボコン』のもう一つの魅力は、他のロボットです。いい感じなのです!ダメ人間なのです。もはやロボコンだけでなく、全てのロボットが「ダメ人間全開!」なのです。(というより、ロボコンは相対的には優秀な部類に入ると思います。)そこが素晴らしい!このドラマは全体的な雰囲気として、人間のダメさに対する深い愛を感じます。こういうダメさ加減は、本当は最も人間らしい姿なのです。多少の迷惑は、かけてもいいのです!誰かが修正したり戒めたりしてくれるのです!私たちの周囲は、極めてクリーンになってしまいました。いわゆる立派な大人、ちゃんとした人間ばかりになってしまいました。しかしそれはあくまで表面の話です。きちっとしたスーツを着た真面目な社会人が、実はロボパーのようにぐにゃぐにゃだったりするのです。おそらく多くの人々がそれを認めれば、社会はもっと幸せになるのだと思います。がんばれ!!ロボコン DVD-COLLECTION Vol.1(東映ビデオ 23,100円)
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Posted on 2012/09/10 Mon. 22:42 [edit]

category: アニメ・特撮

thread: 懐かしドラマ - janre: テレビ・ラジオ

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