『でんしゃにのって』感想  

(作:とよたかずひこ、アリス館、1997年)うららちゃんは電車に乗って祖母の家に向かう。表紙は出発を見送る母の目線。ワニ田駅でワニが乗り、クマ田駅でクマが乗る。動物たちは一見すると怖そうだが、みんな行儀がよい。狭い空間に譲り合いながら座る。目的の駅に到着し祖母が迎えにきてくれた。… 本書は全てうららちゃん中心で描かれている。目的である祖母と電車は赤色である。電車に乗ってくる人々は全て動物に見える。乗り物は、本来出会うことない相手と出会い、本来到達できない地点に連れていく、まさに夢の道具である。と同時に少しだけ恐怖もある。その素直な気持ちが描かれる。
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Posted on 2015/12/02 Wed. 21:14 [edit]

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『バスにのって』感想  

(作・絵:荒井 良二、偕成社、1992年)おそらく中南米。旅人は地平線の見える荒野のバス停にいた。ラジオをつけてバスを待つ。初めて聞く音楽だ。トラック、馬乗りの人、自転車の人などが通り過ぎる。旅人は待ち続ける。日が暮れ、寝る。次の日やっとバスが到着。しかし満員のため、旅人はバスに乗ることを諦めた。バスが時間通りに来ないことや満員で乗れないことは途上国ではありがちだ。旅人は怒ることなく、嘆くことなく、その現実を受け入れる。無理矢理バスに乗り込むようなことはしない。荒野をてくてく歩いていく。地平線のような広い心だ。こんな穏やかな気持ちで生きてみたい。
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Posted on 2015/12/02 Wed. 21:15 [edit]

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『ぼくがとぶ』感想  

(作・絵:佐々木マキ、福音館書店、1994年)一人の男が無数の部品に囲まれ何かを製作している。間を置いて「ひこーきだよ」と言う。翼が二枚ある複葉機だ。失敗を繰り返し遂に成功。大空を飛ぶ。父母はどんどん小さくなる。自分が飛行機を飛ばしているのではなく、自分が飛んでいるのだ。風、軽さ、距離感がよく描かれる。砂漠を超え、夜も飛び続ける。そして北極海だ。無数のセイウチたちが驚き、そして喜んでこちらを見つめる。こちらにとっては遥か彼方に到達した先の異界であるが、彼らにしても突然訪れた不思議な異界である。最後の写真は誰が撮影したのか。彼は故郷に戻れたのだろうか?
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Posted on 2016/02/07 Sun. 22:11 [edit]

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『アデレード』感想  

(作・絵:トミー・ウンゲラー、訳:池内紀、ほるぷ出版、2010年)アデレード(カンガルー)の背中には翼があり、空を飛ぶことが出来た。そこでアデレードは母に別れを告げて旅に出ることにした。飛行機のパイロットと友達になり、インド等をめぐる。フランスで降りて入国。そこで金持ちの紳士と出会う。その後、ビル火災の中から子どもたちを救出する。動物園のカンガルーと出会い、ついに結婚する。本書は、長い人生を描く。現状に満足せずに冒険を始める。危機を乗り越えるためには出会いが大切だ。一歩踏み出す勇気があれば出会いは巡ってくる。そして出会いによって人生は大きく変わる。出産すると次の人生だ。
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Posted on 2016/03/22 Tue. 21:45 [edit]

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『やい トカゲ』感想  

(作:舟崎靖子、絵:渡辺洋二、あかね書房、1984年)少年がろう石を買って店を出たら自転車がなくなっていた。盗まれたのだ。母は代わりの自転車を買ってくれない。遊びに行くのも不便。孤独を感じる。自転車は広い空間を移動するまさに夢の乗り物であり、もはや彼にとって身体の一部だったのだ。少年は自分自身が作り上げてきた広い世界観から零れ落ちた形になる。世界は急速に狭く、鈍くなる。夏の太陽が照りつける。淡い挿絵は強い日差しを表現している。こののろい世界でトカゲが見えてくる。トカゲは普通に平凡に生きている。トカゲに笑われているようだ。少年はトカゲに八つ当たり。健全である。
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Posted on 2016/04/26 Tue. 22:34 [edit]

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『がたんごとん がたんごとん』感想  

(作:安西水丸、福音館書店、1987年)動いている物は、周囲とは切り離された独自の空間を持つ。ここにいると、何もしないのに前進でき、とても快適である。眺めも見事だ。この貴重な風景を多くの者が取り合う。この僅かなスペースに乗せてくれと集まる。許可するには、心の広さ、気持ちの余裕が必要である。ここでは多くの果物がやってくる。主人公は気前よく乗せていく。ところが最後に猫と鼠が来る。もう乗る場所がない。主人公は機関車両の狭いスペースに乗せることにした。客車にこだわる必要もないのだ。終点で全員降りる。本書は子どもの遊びの世界ではあるが、愛が描かれている。
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Posted on 2018/06/02 Sat. 22:38 [edit]

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