『はじめてのおつかい』感想  

(作:筒井頼子、絵:林明子、福音館書店、1977年)みいちゃんはなぜここまで頑張れるのか?お母さんのため?赤ちゃんのため?おそらくは5才の自分という高い理想になりたいという気持ちがあるから。TVバラエティの「おつかい」は、子どもが苦労し涙を流すようにハードルを上げすぎている。この絵本はもっとまっすぐ。そして素直である。この絵本の多くのページは高い地点に立って描かれている。それは林明子の高いところから見守る姿を反映している。お母さんはみいちゃんに「お願いする」ことで、うまくみいちゃんのやる気を引き出している。ちなみにミルクは赤ちゃん用ではなくホットケーキ用。
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Posted on 2011/11/06 Sun. 00:00 [edit]

category:   2) 子どもの冒険

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『こんとあき』感想  

(作:林明子、福音館書店、1989年)ぬいぐるみのこんは、あきが生まれた時からあきを支えてきた。いわば人生の先輩だ。今回の旅でも、こんの明るさと力強さが、心細いあきを引っ張っていく。大丈夫という言葉には不思議と説得力がある。身体はあきの方がどっしりしている。こんはふわふわしていて、動作も遅く、破けたり、ちぎれたりする。もう数カ月たてばあきはこんを必要としなくなるだろう。変わらぬ時間を生きるこんと、急速に成長しつつあるあきとの貴重な時間。前半での列車の中と後半の広大な砂丘とが対照的である。美しい風景は、人間の成長や出会いのBGMとしてこそ輝く。

Posted on 2011/12/01 Thu. 21:28 [edit]

category:   2) 子どもの冒険

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『ちいちゃんとさんりんしゃ』感想  

(作・絵:しみず みちを、ほるぷ出版、1983年)ちいちゃんは三輪車がこげない。ペダルを踏むというのは意外と難しい作業なのだ。サドルに腰掛けた状態で誰かに背中を押してもらえばよい。猫たちと交替で押す。次は坂の上から降りてみる。なるほどこうすれば背中を押さなくて良い。みんなで乗れる。次第に速くなり…転倒! 運転とは複雑な作業だ。出来ないからといって諦めるのではなく、雰囲気だけでも格好だけでもやってみたい。そんな思いは大切だ。学びは真似であり、習うより慣れである。運転の中で最も重要なのは制止すること、安全な着地である。その意味で本書は、まさに人生そのものだ。
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Posted on 2015/11/27 Fri. 21:57 [edit]

category:   2) 子どもの冒険

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『ぼくはあるいた まっすぐ まっすぐ』感想  

(作:マーガレット・ワイズ・ブラウン、絵:林明子、訳:坪井郁美、ペンギン社、1984年)おばあちゃんの家までまっすぐ。美しい花を摘み、森の中を抜け、丘を越え、馬小屋を抜け、おばあちゃんに会う。まっすぐに歩くことは難しい。出会うものや障害を避けることなくそれと向き合わなければならないからだ。子どもは必要なものを手に取り、新しいものには驚き、困った時は工夫する。そして最後には喜びがある。そう、まるで人生そのものだ。大人は安全な道を探す。自動車に乗ったり、楽な方を求める。しかしそれでは困難を乗り越えたことにはならないし、生きていることにもならないのだ。自分の足で歩いたという実感が、自分を強くする。
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Posted on 2015/11/27 Fri. 21:58 [edit]

category:   2) 子どもの冒険

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『よかったね、ネッドくん』感想  

(作・絵:レミー・シャーリップ、訳:やぎたよしこ、偕成社、1997年)パーティに行こうと飛行機に乗るが、壊れて墜落。パラシュートで降りるがなんと穴があいていた。水の中に落ちるがサメがいた。泳ぎが得意だったので逃げきれた。陸にトラがいたが、走るのが得意だったので逃げ切れた。トンネルを掘って抜けるとそこは… 冗談話のようだが結構深い。幸運と不運は交互にやってくるが、全体としては明るい方向に向かっている。不運は外からやってくるが、幸運のうちいくつかは自分の力による。過去に努力した自分が今の自分を助けているのだ。自分の置かれた状況を不幸だと嘆く前に、困難を切り開く力を身につけよう。
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Posted on 2015/11/27 Fri. 21:59 [edit]

category:   2) 子どもの冒険

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『はけたよ はけたよ』感想  

(作:神沢利子、絵:西巻茅子、偕成社、1970年)パンツがはけないたつくんは、パンツなんかはかなくても生きていけると思い出す。困難な課題を前にすると、それを努力して克服しなくても、生きていけると思いたい。そんな意識は、大人でもよくあることだ。たつくんはパンツをはかずに動物たちに笑われる。それは母の説得よりも効果的。本書では母親がおおらかでよい。子どもに失敗と試行錯誤の時間を与えている。後半でたつくんは、パンツのはきかたを発見する。自分で考えたのである。苦しむところから自信がつく。本書はまるで幼児が描いたようなタッチで子どもの気持ちになる。あとがきは蛇足。
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Posted on 2015/12/24 Thu. 22:11 [edit]

category:   2) 子どもの冒険

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『ベーコンわすれちゃだめよ!』感想  

(作:パット・八ッチンス、訳:渡辺茂男、偕成社、1977年)母は息子に買い物を頼む。卵、ケーキ、梨、それからベーコンだ。子どもはメモをせずに全て記憶しようとする。反復しながら歩く。最後のベーコンに力を入れて確認していくと、真ん中の部分から曖昧になっていく。途上で見たものが映像として入ってくるので混乱していく。その混乱の様子がよく伝わる。完全に忘れたわけではないため、何らかのきっかけで思い出すこともある。メモをするのは簡単なことだ。むしろ人間の意識や記憶でどこまで出来るかを体験してみたい。忘れるところも人間らしくてよい。何のための買い物かを考えれば記憶は可能となる。
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Posted on 2016/03/13 Sun. 21:40 [edit]

category:   2) 子どもの冒険

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『こすずめのぼうけん』感想  

(作:ルース・エインズワース、絵:堀内誠一、訳:石井桃子、福音館書店、1977年)母雀が子雀に飛び方を教える。すぐに戻る予定だったが、子雀はつい「飛びすぎて」しまう。何でも出来そうな気がする。若者は自分の身体能力を無視して夢や希望に向けてつき進む。大人はひやひやするが、無謀は若者の特権かもしれない。本書で子雀はすぐに疲れてしまい、休む場所を探す。カラスの巣で休もうとするが断られる。少し離れて鳩の巣でも同じだった。他の鳥たちにも断られてしまう。子雀は自分の住処をも忘れてしまい、迷いながら飛び続ける。どんどん身体は疲労する。冒険というよりは迷走。まだまだ母親の力が必要だ。子雀は一つ学んだ。
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Posted on 2016/04/26 Tue. 22:33 [edit]

category:   2) 子どもの冒険

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『ぶたぶたくんのおかいもの』感想  

(作・絵:土方久功、福音館書店、1985年)ぶたぶたくんが母にお遣いを頼まれる。パン屋、八百屋、お菓子屋とまわって帰る行程だ。からすのかあこちゃん、こぐまくんが加わる。パン屋のにこにこおじさん、八百屋のはやくちおねえさん、多様で個性的な人々との出会いがあり、世界も拓けてくる。ヘリや飛行機、富士山は広い世界を象徴する。世界が広がると今度は帰りが心配だ。しかしここで不思議なことが起こる。最も遠いはずのそのさらに向こうに我が家があるという。ぶたぶたくんの頭の中で広い世界が一つの論理で結ばれる。冒険には不安がついてまわるが、それを乗り越えて高い能力を得る。
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Posted on 2016/12/06 Tue. 22:46 [edit]

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