『ヤクーバとライオン(1)勇気』感想  

(作・絵:ティエリー・デデュー、訳:柳田邦男、講談社、2008年)アフリカの大地。戦士として認められるための儀式が、一人でライオンを倒すことだった。少年ヤクーバの前に現れたのは傷ついたライオン。自分を倒しても名誉にはならないとライオンは語る。ヤクーバはライオンを殺さなかった。それは命が大切だとか、ライオンのためを思ったという理由ではない。最初からライオンを殺しに向かったのだ。こんな弱ったライオンを殺して勇気ある戦士と思われるのが嫌だったのだ。ヤクーバは、村の者から嘲笑され孤立しても、それを恐れない強い心を持っている。真に勇敢なのである。生と死、勇気と美徳が描かれた名作。
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Posted on 2014/07/12 Sat. 20:41 [edit]

category:   3) 勇敢に生きる

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『ヤクーバとライオン(2)信頼』感想  

(作・絵:ティエリー・デデュー、訳:柳田邦男、講談社、2008年)ライオンの王者キブウェは獲物を取るために、あの村へ向かう。ヤクーバは牛を守るためのライオンと対峙する。戦いが始まるが、お互いが殺し合うことはなかった。友情だからではない。殺し合う理由がないからだ。特にキブウェは助けられた命だ。長い時間、戦った後にキブウェは遂に獲物を諦める。後日ヤクーバは牛の肉を与えた。助けようとしたからではない。ヤクーバは厳しい現実をつきつけているのだ。人間の用意した肉を食べて、気高く生きると言えるか?それが分かったから、キブウェはその肉に手をつけなかった。柳田が言う報復云々は意味不明。
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Posted on 2014/07/12 Sat. 20:43 [edit]

category:   3) 勇敢に生きる

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『かたあしだちょうのエルフ』感想  

(文・絵:おのきがく、ポプラ社、1970年)ダチョウのエルフは草食動物の中にあって力強い存在。走るのが得意で、子どもたちにも人気だ。草食動物たちをジャッカルやライオンが狙う。エルフはライオンと戦い、片足を失いつつも撃退する。エルフは衰弱してしまう。そんなエルフに再び危機が訪れる…アフリカの大草原、弱肉強食の厳しい世界が力強く描かれる。版画調の絵が印象的だ。「できる」から「できない」へ。それまで有能だった者が能力を失う姿は、とても惨めである。惨めさを受け入れるのは辛い。エルフは最後まで自分のプライドをかけて戦う。死を恐れなくなった時に最も強くなれる。
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Posted on 2015/11/28 Sat. 22:23 [edit]

category:   3) 勇敢に生きる

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『八郎』感想  

(作:斎藤隆介、画:滝平二郎、福音館書店、1967年)力強くて心優しい男「八郎」がいた。さらに力をつけ山のような巨人となる。海が荒れ田畑は塩害を被る。八郎は山を持ってきて海に投げ込む。海は怒り、波をぶつけてくる。八郎はそれに勇敢に立ち向かう。自らが巨人となったのは村を救うためだったと八郎は悟る。すなわち死の覚悟だ。圧倒的な力は、外の圧倒的な力に対抗しなければ存在意義を失う。八郎は悲しみを背負っている。本書は、ヒーローを求める村人の心境を示している。津波を想起させるため複雑な心境になる。子どもや小鳥は、八郎のスケールの大きさを強調している。方言の響きが美しい。
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Posted on 2015/11/28 Sat. 22:24 [edit]

category:   3) 勇敢に生きる

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『とべバッタ』感想  

(作・絵:田島征三、偕成社、1988年)バッタは、蛙や蜘蛛などに食べられる恐怖に脅えていた。ある日、バッタは決意する。カマキリをバラバラにし、蜘蛛をめちゃめちゃにして、思い切り高く跳びあがった。自分の羽の存在に気づき、大空を飛ぶことができた。荒地や海を越えて行く。このままではダメだ、頑張ってみようという決心は大切だ。最後の頁でバッタは恋に落ちるが、それはなぜか。自分の力で飛んだり戦ったりできたという自信が、バッタの心を強くした。おそらくは生きているという実感を得たのだろう。愛するということは共に生きるということだ。凄まじい躍動感ある絵が印象的。
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Posted on 2016/03/23 Wed. 21:32 [edit]

category:   3) 勇敢に生きる

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『だちょうのたまごにいちゃん』感想  

(作・絵:あきやまただし、鈴木出版、2013年)他のだちょうとは異なり、彼は卵の殻を被っている。たまごにいちゃんと呼ばれる。割れないものを割ってあげたり、ライオンを撃退してあげたりする。普通は、卵の殻から出た後に殻を捨ててしまう。しかし彼にとって殻は鎧である。皆、彼をカッコいいという。ここには「無謀」という性質もある。子どもらしさ、純粋、まっすぐな心は、大人が忘れてしまう大切な精神である。彼は子どもっぽさを持つがゆえにあらゆる無理にも挑戦するし、だからこそ人気者なのである。最後に殻が壊れるがこれから本当の挑戦が始まる。なお、本書冒頭のメッセージは蛇足。
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Posted on 2016/04/02 Sat. 21:26 [edit]

category:   3) 勇敢に生きる

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