『のにっき 野日記』感想  

(作・絵:近藤薫美子、アリス館、1998年)親イタチの死を子イタチが悲しむ。親イタチの身体は、多くの虫たちの餌となり、次の生命を生み出す。11月から冬と春を経て、5月までの時の変化。ゆっくりした時間の流れが絵本という形で具現化される。長い時間の変化を記録するのが日記である。ここに無数の虫や動物、出会いや葛藤などが凝縮される。食物連鎖という言葉では表現しきれない。私たちは死んだ動物をすぐに処理しようとする。私たちの死体はどんな動物にも触れさせない。はたしてそれでよいのだろうかと思ってしまう。文章のない絵本は、じっくり眺めたい。どんな音が聞こえる?


-- 続きを読む --
スポンサーサイト



Posted on 2011/12/01 Thu. 21:30 [edit]

category:   4) 自然に還る

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 0

『くさる』感想  

(作・絵:なかのひろたか、福音館書店、1986年)生ゴミは臭い。おいしそうなご馳走でも、時間がたてば嫌な臭いになる。土をかぶせておくと嫌な臭いはしなくなる。ゴミが土の中で消えてなくなると母はいう。小さな虫がそのゴミを食べて小さなうんこをする。それをさらに小さな虫が食べて分解する。分解したものは植物が栄養分として吸い上げる。太古の昔より、植物と動物と分解者のサイクルによって命は継承されてきたのである。改めて腐るという現象を広い視野でとらえることができる。新しい芽の誕生は、壮大な物語の一部なのだ。本書では母親が子どもに語りかける。言葉は易しいが内容は高度だ。
06(04)02.jpg

Posted on 2015/11/30 Mon. 22:05 [edit]

category:   4) 自然に還る

tb: 0   cm: 0

『ふようどのふよこちゃん』感想  

(作・絵:飯野和好、理論社、2005年)腐葉土は栄養をたっぷり含んだ豊かな土である。匂いが伝わる。土が気持ちよく呼吸をして、おならをして、眠くなるというのは、すなわち腐葉土の中の微生物が生きているということであろう。この土は新しい生命を生み出す力となる。この村は、多くの人々が自給自足で幸せに暮らしていた。ダムが出来、農薬等を使用し、村は大きく変わってきた。音が聞こえないというのは不気味だ。それを悲しい気持ちで見つめる腐葉土たち。最近、それに気づいた人々が自然を蘇らせようとする。蛍が戻ってきた。腐葉土の視点から時代や社会の移り変わりが垣間見える。
06(04)03.jpg

Posted on 2015/11/30 Mon. 22:06 [edit]

category:   4) 自然に還る

tb: 0   cm: 0

『葉っぱのフレディ』感想  

(作:レオ・バスカーリア、絵:島田光雄、訳:みらいなな、童話屋、1988年)大木の一つの葉フレディ。まわりの葉はみな個性的。物知りダニエルと出会う。葉たちは体を寄せ合って人々のために涼しい木陰を作る。秋になると紅葉を迎え、冬が来て全ての葉が落ちてしまう。当初は不安や恐怖に怯えていたフレディも、最後は死を受け入れる。葉や木は死んでしまうが、それらをつないでいのちは永遠であるという。全ての迷いがすっきりと解消されるような描き方だ。そんなにきれいに受け入れて良いのだろうか。一つの生命は大きないのちの部品なのだろうか。あまりにも明確な答えとメッセージは私には不気味に見える。絵本ではない。
06(04)04.jpg

Posted on 2016/03/24 Thu. 21:33 [edit]

category:   4) 自然に還る

tb: 0   cm: 0

プロフィール

カテゴリ

最新記事

最新コメント

お客様

検索フォーム

リンク


▲Page top