『はなをくんくん』感想  

(文:ルース・クラウス、絵:マーク・シーモント、訳:木島始、福音館書店、1967年)雪が深い静かな森の中。冬眠中の動物たちが目をさます。何かの匂いに引き寄せられる。くま、りす、のねずみたち。モノクロの世界の中で黄色い小さな花が咲いたのだ。コントラストが美しい。まもなく冷たく暗い冬が終わる。それを想って歓喜に湧く。私達は真冬でも暖房で春のような生活をしている。凍え死ぬことも食糧が尽きることもない。そのくせ桜が満開になれば酒を飲んで騒ぐ。私達は、もはや季節を感じていないのかもしれない。本書は感動や喜びの本当の姿を描いている。私達の現代社会は、煌びやかなものが溢れているがゆえに、感動が薄い。


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Posted on 2013/03/27 Wed. 19:32 [edit]

category:   1) 季節の変化

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『はるにれ』感想  

(作・絵:姉崎一馬、福音館書店、1981年)北海道豊頃町にある樹齢140年のニレの大木。実は二本らしい。農場に立ち自然とともに撮るカットと自然に立ち農場とともに撮るカットがある。秋から冬になり、冬眠を迎える。心配する写真家に「もっと近くで撮ってくれ」などと語っているかのようだ。春にになり、元気よく登場する。彼らは月とも仲良し、たくさんの草達にも囲まれる。寂しくはない。私たち人間は、日々のことがらで悩んだり、悲しんだり、喜んだりする。ゆったりと生きるニレの大木に語りかけよう。おそらく彼らは私たちを優しく包み込んでくれる。本書は絵本だ。写真集ではない。
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Posted on 2014/11/08 Sat. 20:52 [edit]

category:   1) 季節の変化

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『てぶくろ』感想  

(作:ウクライナ民話、絵:エウゲーニー・M・ラチョフ、訳:内田莉莎子、福音館書店、1965年)真冬の雪深い森の中、おじいさんがてぶくろを落とした。あたりはとても寒い。てぶくろの中はとてもあったかそうだ。そこにあつまる動物たち。ねずみ、かえる、うさぎ… しだいに大きな動物たちが集まる。てぶくろもぐんと膨らむ。そこに小さな世界が出来る。おおかみ、いのしし、くま…そんなには入れない!寒い中、心を寄せ合う動物たち。乱暴な動物もここでは誠実だ。みんなでいると暖かい。会話も膨らむ。おじいさんがてぶくろを取りに戻ると、動物たちはいっせいに逃げていく。かといって悲壮感はない。人々の優しさと想像力が生み出した物語。
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Posted on 2015/11/30 Mon. 22:01 [edit]

category:   1) 季節の変化

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『ぼうし』感想  

(作・絵:ジャン・ブレット、訳:松井るり子、ほるぷ出版、2005年)リサが冬支度を始める。冬物の服を外に干す。靴下が風に吹かれて落ちてしまう。ハリネズミが靴下を被ってみると抜けなくなってしまう。他の動物たちが不思議そうに声をかける。ハリネズミは「困った」とは言わず「いいだろう」と強がる。動物たちも本心では気になったようだ。表向きはカッコつけたい。素直になれないあたりは、とても人間的である。やっとリサが気づいて外してくれる。本書では、時間は一定に進行するが、リサや動物たちの動きが複数の枠で描かれる。ゆったりした時間、冷たい風や優しい光が印象的。まるで映画のような感覚を得る。
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Posted on 2015/11/30 Mon. 22:01 [edit]

category:   1) 季節の変化

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『いいことってどんなこと』感想  

(作:神沢利子、絵:片山健、福音館書店、2001年)少女は、晴れた日に雪解けの水がぴちゃぴちゃする音を聞く。犬が水を飲んでいるような音、しずくが跳ねて歌っているようでもある。小鳥が嬉しそうだ。何かいいことがあるという。雪解けで川の水が元気よく流れている。いいことがある。みつけてごらんと川は言う。風が嬉しそう。りすも嬉しそう。少女は雪の下に金色の花が咲いているのを見つける。いいこととは何か?まさにそれは春の訪れである。動物たちにとって春は死の恐怖から解放されたということだ。真冬の雪山は無音であり、春の訪れとともに音が聞こえる。少女は生命の力を感じたのである。
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Posted on 2015/11/30 Mon. 22:03 [edit]

category:   1) 季節の変化

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『なつのいちにち』感想  

(作:はたこうしろう、偕成社、2004年)夏の美しい風景を描く。ちょうど良い色彩が重要。もう少し濃かったり薄かったりすればおかしくなる。白色でも、あの砂利道の熱気が伝わってくる。とても暑いように見えるが、現在の都市部の熱風よりは爽やかだ。日陰のひんやり感もある。私の想像だが、友達にクワガタを自慢され、自分でも挑戦するがうまくいかなかったという状況が随分続いたと思われる。それゆえ見つけた喜びがひとしおだ。捕まえることができた。喜びと夕立は、重なって記憶される。捕まえたクワガタは自分の所有物となる。カッコイイ!プラモデルや車を見つめるのと同じ感覚だ。
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Posted on 2016/02/10 Wed. 22:36 [edit]

category:   1) 季節の変化

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『なつのやくそく』感想  

(作・絵:亀岡亜希子、出版社:文溪堂、2006年)オコジョ(イタチ)のタッティと、ひつじのメメール。メメールは刈り取った自分の毛を大切に持ち、草が食べられない。タッティは、自分が見ておくからと声をかける。草原の気持ちよい風の中、タッティは寝てしまい、大切な毛を無くしてしまう。いわば約束破りだ。メメールは怒ってしまう。自分を責めるタッティ。草原の短い夏の間に、出会い、ケンカ、仲直りというドラマを経験する。すべてのやりとりが夏の風景と重なる。最後、二人のとてもよい関係が、美しい夕焼けに包まれる。表紙は、一生懸命に謝ろうとするタッティとそれを応援するひまわり。
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Posted on 2016/02/21 Sun. 22:19 [edit]

category:   1) 季節の変化

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