『こおり』感想  

(文:前野紀一 絵:斉藤俊行、福音館書店、2012年)かき氷を食べている間の親子の会話のであろう。子どもが全て理解できなくてもよい。興味を持つことが大切だ。氷の中央が白くなる、色付きの氷がない、水よりも固まっているはずなのに密度は軽い、等、気にしなければ永遠に何とも思わなかったことを、「なぜ」と問いかけることで科学は進歩する。水は、周りに(そして自分自身にも)いくらでも存在するのに、意外と知らない。美しい地球の風景は水の風景でもある。また、この本は科学入門書ではなく、絵本として成立している。中身は科学的だが描き方にファンタジーが入る点がとてもよい。
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Posted on 2015/12/26 Sat. 21:34 [edit]

category:   2) 物質の仕組み

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『しずくのぼうけん』感想  

(作:マリア・テルリコフスカ、絵:ボフダン・ブテンコ、訳:内田莉莎、福音館書店、1969年)村のおばさんのバケツから落ちた雫。蒸発して雲になり、雨となって落ち、岩場の上で氷になり、川に流れ込み、水道を経由して洗濯機へ。洗濯物を乾かせば再び蒸気となって外に出る。最後は氷柱だが、春になれば再び冒険が始まると予想できる。本書では、水が形を変えながら循環していく様子がよく描かれる。消えたように見えても物質は存在する。本書の特筆すべき点はこの文体だ。まるで演歌のナレーションだ。純粋に冒険物語として読むのではなく、名曲を聴くように、曲の風景を楽しむかのように読むとよいだろう。川の流れに身を任せるかのように。
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Posted on 2016/03/24 Thu. 21:35 [edit]

category:   2) 物質の仕組み

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『まほうのコップ』感想  

(原案:藤田千枝、写真:川島敏生、文:長谷川摂子、福音館書店、2012年)水を入れたコップを見つめる。お湯だと模様に見える。野菜や果物、固いフォークさえも歪んで見える。向きが変わることもある。なんとも不思議な世界。音まで聞こえてくるようだ。少しずつ動かしていけば微妙な変化を楽しめる。コップの形によっても変わる。大人は、この楽しさを忘れてしまう。初めて見た時にはみんな感動したはず。まずは理屈抜きで、この幻想的で奇妙な世界を楽しもう。目の前に見えるものは真実ではなく、真実から発せられた光の束である。光は歪んだり折れたり広がったりする。コップの向こうに笑顔が見える。笑顔も真実である。
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Posted on 2017/03/08 Wed. 22:06 [edit]

category:   2) 物質の仕組み

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『およぐ』感想  

(作・絵:なかのひろたか、福音館書店、1981年)いきなり泳ごうとするから失敗する。ますは「浮く」ということを知るべきだ。人間は自然と浮く。風呂でも浮く。最も怖いのは顔に水がかかり、視界が水によって遮られることだ。本書を見て勇気を出したい。頑張る主人公を見て、パニックに陥りがちな自己を想起するとよい。一つひとつ手順を踏み、少しずつ慣れていけばたいしたことはない。パニックにならずに落ち着いてゆっくり動けばいい。本書は泳ぎ方を示しているのではなく、水の中で落ち着いて行動するということの基本原理を示している。それが出来れば泳ぐことはむしろ簡単なことなのである。
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Posted on 2019/09/15 Sun. 18:33 [edit]

category:   2) 物質の仕組み

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