『おしっこぼうや』感想  

(作・絵:ウラジーミル・ラドゥンスキー、訳:木坂涼、らんか社、2003年)平和とは何か。子どもが道端でおしっこをするようなことを指すと思う。子どもがおしりを出してみんな笑う。現代社会でそのような光景はあまり見ることができない。私達は人間の人間らしい姿を見つける機会を失う。人間を偶像化し、抽象化し、敵と味方に区別するから戦争がおこるのではないか。この絵本はたんに小便小僧の話にとどまらず、戦争と人間の関係を描いているように思える。
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Posted on 2013/07/23 Tue. 23:55 [edit]

category:   5) 平和への一歩

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『むこう岸には』感想  

(作:マルタ・カラスコ、訳:宇野和美、ほるぷ出版、2009年)主人公の少女は広くて美しい心の持ち主だ。白のワンピース。絵本では、岸をわたった時の不安な気持ちがよく表現されている。この不安を乗り越えるのは、どちらかといえば女性の方だと思う。警戒し、武装するのはたいていは男だ。相手を信じておもいきって飛び込んでみよう。その先に幸福がある。川は、私達の心の中に流れ、冷たい風を運んでいる。橋をかけて川を渡れば私達の心が豊かになる。ただし川は消えてなくなるわけではない。自分と他人は完全には一致しないのだから。それを乗り越える力こそ、本当の勇気なのかもしれない。
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Posted on 2014/12/04 Thu. 22:02 [edit]

category:   5) 平和への一歩

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『むこうがわのあのこ』感想  

(作:ジャクリーン・ウッドソン、絵:E.B.ルイス、訳:さくまゆみこ、光村教育図書、2010年)黒人地区と白人地区の間に柵がある。こちらにも、向こう側にも少女がいる。同じくらいの年齢だから一緒に遊びたいという気持ちが出てくる。しかし大人たちはダメだという。理由は?…よく分からない。大人たちはうまく説明できないのだ。そんなふうに言われると余計に遊びたくなる。過去よりも未来を信じよう。少女は遂に声をかけることが出来た。二人が仲良くすると、周囲の子も、大人たちも、それを受け入れていく。本書は写真をベースにしながらも「絵」である。それはリアルでありながら、こうあってほしいと言う理想を含んでいるためであろう。
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Posted on 2015/12/06 Sun. 21:29 [edit]

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『ルラルさんのにわ』感想  

(作:いとうひろし、ポプラ社、2001年)ルラルとは田舎者という意味であろうか。ルラルさんは、自分の芝生の庭が自慢であり、部外者の侵入を武力で駆逐していた。ある朝、そこに巨大なワニがいた。ワニの指示通りに寝っころがってみると、意外にも気持ちいい。その後、ルラルさんは他の動物たちを受け入れるようになる。彼は自分の庭を放棄したのではなく、他者を受け入れた形でそれを自慢の庭だと思ったのである。彼が、独占から共有へ至ったのはなぜか。庭の新しい楽しみ方を発見したということだけではない。武力で駆逐するということの限界を感じたのだ。警戒し続けるのは大変なのだ。
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Posted on 2016/02/11 Thu. 23:00 [edit]

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『青いかいじゅうと赤いかいじゅう』感想  

(作・絵:デビッド・マッキー、訳:北沢杏子、アーニ出版、1989年)二人の間には高い山があり、行き来できない。小さな穴を通して会話が出来る。一方は「日が暮れる」といい、一方は「夜が来る」という。遂に二人はケンカになる。山が崩れ、二人が出会った時、一つの現象の二つの側面だと理解できた。自分の言葉が他者の領域にまで拡大すると過信するところからケンカが起こる。無意識のうちに押し付けてしまう。そして戦争も起こる。彼らが試みているように両者の壁を壊すことが大切だ。相手への関心が壁を壊す。壁がなくなった後も、多様な見方があることを忘れてはならない。最後のシーンでは恋愛が焦点化される。
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Posted on 2016/02/22 Mon. 21:32 [edit]

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『ハグくまさん』感想  

(作・絵:ニコラス・オールドランド、訳:落合恵子、クレヨンハウス、2011年)何にでも抱きつきハグをしてしまうくまさん。鳥だって、蛇だって抱きしめてしまう。特に彼は木が好きだ。ある日、斧を持った男が大木を切ろうとしていた。くまは男を襲うことが出来ず、悩んだ挙句に抱きつくことにした。結局、男は逃げていく。ハグは人間の基本的な愛情欲求だと思う。私たちは好きになったからハグをするのではなく、むしろハグをしたことで相手を受け入れ、相手を好きになっていくのだ。小さい子は縫いぐるみを大切にする。仕事においても相手と握手をすれば距離が縮まる。個体は、不安である。身体がつながれば、戦争は起きない。
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Posted on 2016/03/06 Sun. 21:32 [edit]

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『あいうえおの き』感想  

(作・絵:レオ・レオニ、訳:谷川俊太郎、好学社、1979年)葉の上に無数の文字がある。文字だけだと強風で吹き飛ばされてしまう。蜂が教えてくれた。いくつか組み合わさって単語を作ろう。さらに毛虫が教えてくれた。皆で集まって意味のある長い文を作ろう。本書は平和と優しさを希求する作品である。私たちの現代社会において、意味のある長い文章よりも刺激的で断片的なワードが飛び交う。特に掲示板の悪口は酷い。そんな言葉は、風が吹くと飛ばされる。飛ばされまいといっそう醜い言葉になる。それは戦争への道を示す。平和とは、時間をかけて製作し、時間をかけて解釈するという余裕を持つことだと思う。
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Posted on 2016/03/15 Tue. 21:35 [edit]

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『へいわってすてきだね』感想  

(詩:安里有生、画:長谷川義史、ブロンズ新社、2014年)平和とは何か。友達や家族が暮らしている。動物や自然の風景が美しい。戦争は多くの人が死ぬ。今後も平和が続くように、等の作者の平和を願う心境が綴られる。私は否定的。平和は大切であるが、これでは今の安定した日常生活のままがいいと言っているようなものである。この観点では、地震や洪水などの天災と戦争とが区別できない。最も難しいのは、安定した幸せな生活を守るために時として戦争が必要だという考え方が説得力を持ってしまう点だ。本書は純粋で素朴な願いが示されるが、真に平和を目指すならば、理性的に考えることが必要ではないか。
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Posted on 2016/04/30 Sat. 21:44 [edit]

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『そらいろ男爵』感想  

(文:ジル・ボム、絵:ティエリー・デデュー、訳:中島さおり、主婦の友社、2015年)第一次大戦の頃。気球や騎兵なども登場する。そこに空色に塗った自作飛行機があった。男は戦争に駆り出され、空から百科事典を落として功績をあげる。戦争が長引き、男爵は面白い本を投下する。文学作品や科学書も落とす。軍人たちはそれを熱心に読む。味方にも落としてみよう。人々は心を打たれ、なんと戦争が終わった。戦争とは、敵と味方、愛情と憎しみと愛情という単純な認識によって拡大する。本は、複雑で多様な世界観を提供する。それゆえ人々を思いとどまられ、豊かな会話をもたらす。ブラウン管のような三原色の絵であるのは、なぜだろう。
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Posted on 2016/08/11 Thu. 19:04 [edit]

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『わたしの「やめて」』感想  

(文:自由と平和のための京大有志の会、絵:塚本やすし、朝日新聞出版、2015年)戦争とは何か。自分たちが殺されないように先に殺すこと。武器を作れば会社は儲かる。一度始まるとなかなか終われない。軍隊のみならず必ず市民が犠牲になる。命令され操作されるのは嫌だ。それゆえ戦争に反対。本書は子どもにも伝わるように、ストレートな思いを描く。作者たちの気持ちは分かる。ただし、戦争をやめさせるためには、戦争が必要だという議論にうまく答えていくことが必要だ。本書は自衛のための戦争、正義のための戦争が必要だという意見に答えていない。そのためどうしても説得力に欠ける。国家のあり方を議論するべきではないか。
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Posted on 2016/10/07 Fri. 23:09 [edit]

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