『せかいでいちばんつよい国』感想  

(作・絵:デビッド・マッキー、訳:なかがわちひろ、光村教育図書、2005年)自分たちの軍隊が最も強い、それを証明するのは戦争である。戦争は破壊と略奪を繰り返す。しかし「国が強い」とはどういうことか?経済的な強さもあるし、文化的な強さ、心の強さなど、様々だ。文化の場合は、破壊や略奪を伴わない。歌ったり、笑ったり、楽しんだりすることで、人から人へと伝わる。二つの文化は混ざったり、重なったりする。世界の文化を共有してもいい。今の世の中に民族や文化の対立があるのは、おそらく相手を強制するからであろう。本書を見つめれば、国が強くなり、相手国を支配することがとても愚かなことに思える。
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Posted on 2011/12/10 Sat. 00:11 [edit]

category:   4) 強い国家を目指す

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『サルビルサ』感想  

(作・絵:スズキ コージ、架空社、1996年)怒りを増幅させる人。彼は「やつらは危険だ」と叫んで人を集める。そんな人が国家同士の戦争を引き起こす。冷静で視野の広い人間は戦争なんかしない。二つの国の言葉は逆さにするだけで一致するほど似ているが、怒りの中では通じない。お互い全滅するまで殺し合いを続ける。カラスは、両国の言葉を知る。カラスは平和をもたらす力を持っているのだが、それはせずに知らん顔をする。戦争して滅んでしまう方が、カラスにとって好都合だからだ。強烈な絵は、人間の怒りと愚かさを見事なまでに表現している。

Posted on 2012/02/04 Sat. 20:21 [edit]

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『ばべるの とう』感想  

(絵:かすや昌宏、文:佐久間彪、至光社、2015年)王様は、自ら神様になることを目指し、巨大な塔を建設する。あと一歩のところで塔は崩れ去る。神の逆鱗に触れたのだ。人々の言語はバラバラになりお互い通じなくなってしまった。これは、ファンタジーとして楽しめる話だ。私達は全ての頂点にたち、好きなように世界を動かしたいという欲求を持ってしまう。自分は神様だと勘違いしている人もいる。しかしどんな権威も、いつかは滅びるだろう。改めて思うが、世界中に多様な言語が生まれたのはなぜだろう。なお、本書の登場人物は全て横顔である。それゆえ読者は人間を客観的にとらえることができる。
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Posted on 2012/02/09 Thu. 21:53 [edit]

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『おうさまの おしろ』感想  

(文・絵:しろませいゆう、らんか社、2013年)冒頭の見返し。多くの国民に対して国王は一人である。王様の城は雨が降っても、風が吹いても平気だ。青い鳥が降りてくる。幸福はここにあるという意味であろうか。怪獣や宇宙人が来ても城は大丈夫だった。おそらく国民も大丈夫だったのであろう。しかし戦争が起こり、国民も、城も、敵も味方も、全てが滅んでしまう。草木だけが残る。「夏草や兵どもが夢の跡」「諸行無常の響きあり…」歴史は多く事を教えてくれる。私たちは今、歴史から何を学ぶのか。最後の見返し。ここには王様は不在だ。はたして、王様は本当に必要だろうか。本書は問いかける。
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Posted on 2015/12/06 Sun. 21:17 [edit]

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『なぜあらそうの』感想  

(作・絵:ニコライ・ポポフ、BL出版、2000年)蛙が花を見つめる。鼠が現れ、その花を奪う。蛙の仲間たちが集まり、報復攻撃に出る。鼠の軍団が反撃に出る。蛙の軍団が策略を巡らす。文字は無いが、強烈なインパクトはある。表題の答は何か。鼠が花を奪ったというのが一つの答である。しかし鼠は、自分の花を奪われたと思ったのかもしれない。戦争になる最大の背景は被害者意識である。愛するもののために戦う。仲間たちは自分の仲間を助けるために集結し、いっそう高い武力や策略によって相手よりも強い存在であろうとする。その際に高揚感や熱狂を得てしまうのだ。全てが破滅した後に何を語る?
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Posted on 2016/03/06 Sun. 21:31 [edit]

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『六にんの男たち』感想  

(作・絵:デビッド・マッキー、訳:中村浩三、偕成社、1975年)6人の男たちは共同生活で財産を築く。その財産を守るために傭兵を雇う。その後、6人は傭兵に何かさせた方がいいと思い、近くの農場を占拠させる。さらに領土を拡大させていく。大規模な軍隊を用意し、ついに戦争になる。これは特別な人間の話ではない。ふつうの真面目な人間が一生懸命に暮らしていく中で戦争になる、という話だ。私たちはこれが自然な過程であることを忘れてはならない。本書を見ながら、どうすれば戦争を回避できたかを考えるとよい。6人の間で対話し、異質な考えを受け入れ、そのことで恐怖心を乗り越えることが必要だと思う。
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Posted on 2016/03/15 Tue. 21:34 [edit]

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『おひさまとおつきさまのけんか』感想  

(作・絵:せなけいこ、ポプラ社、2003年)月が少し遅刻し、太陽は怒る。それが強烈だったので、月が憤慨する。かくして両者は対立状態になる。月は、太陽が威張り過ぎだという。月は星たちを集め、太陽は雲たちを集めて戦争の準備をする。太陽の熱風で月や星は死に絶え、また月の冷気で太陽や雲は死に絶える。本書が示唆しているのは、大戦争や世界の終りといった大規模なことがらも、最初は些細なきっかけであったということだ。権力者同士がケンカをすればそれを制止する者はいない。相手よりもパワーで圧倒すれば相手は黙るだろうという思い込みによってエスカレートし、地球は破滅する。
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Posted on 2016/03/26 Sat. 21:29 [edit]

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『もっと おおきな たいほうを』感想  

(作・絵:二見正直、福音館書店、2009年)王様は立派な大砲を持つ。使ってみたいと密かに思う。そんなある日、狐が川の魚を奪っていると聞き、さっそく大砲で撃退である。しかし狐はもっと大きな大砲を持ってきた。さらに大きな大砲を用意すると、狐たちはもっともっと大きな大砲を持ってきた。ユーモラスに描いているが、まさに現実の国際政治である。動機は、魚の利権を守るというよりは、自らの強さを誇示することにある。自分たちが用意した大砲よりも、ひょっとしたらもっと強いかもしれない。王様が戦っている相手は幻想ではないか。後半とハッピーエンドは、素敵な笑いにつつまれる。
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Posted on 2016/04/15 Fri. 22:29 [edit]

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『なぜ戦争はよくないか』感想  

(作:アリス・ウォーカー、絵:ステファーノ・ヴィタール、訳:長田弘、偕成社、2008年)戦争は国家同士の言葉である。動物には通じない。敵国のことはよく知らない。そこにいる人々やその生活のことを知らない。戦争は、親子の大切な時間、素晴らしい歴史的遺産をただひたすら壊していく。戦争は自然を破壊し、その後には荒廃した焦土が残る。本書は、戦争の特質を独特の文体で描いていく。とても印象的である。外交で武力を誇示したり、非常時に備えたりする段階であればまだよい。それがエスカレートし、自己目的化してしまうと、もう取り返しのつかないことになる。そういうものだということを、私たちはよく理解しておく必要がある。
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Posted on 2016/11/28 Mon. 21:54 [edit]

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