『自殺うさぎの本』感想  

(作:アンディ・ライリー、青山出版社、2005年)自殺という言葉をそのまま受け止める人は笑えない。これはたんなる自殺ではない。このまま時間が進めば死んでしまうと予測させる「自殺計画」だ。読み手の想像力が必要。死ぬ。死んでもいい。覚悟を決めた瞬間に生きる辛さから解放される。わたしたちは義務やルールの中で生きる。その鎖をちぎるうさぎの姿には、むしろ爽快感さえ感じる。描かれているのは自殺だが、うさぎの姿はとてもエネルギッシュで、そのアイデアはとても豊かだ。だからこそ笑える。自殺は悲しいことである。それをここまで明るく、生き生きと表現するという点が素晴らしい。
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Posted on 2012/12/07 Fri. 23:11 [edit]

category:   3) ブラックジョーク

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『どこいったん』感想  

(作:ジョン・クラッセン、訳:長谷川義史、クレヨンハウス、2011年)熊は、無くした大切な帽子を探しに出かける。狐、蛙、兎、亀らに問うが、みな、知らないという。会話のやりとりがなんともテンポよく、まるで漫才を見ているかのような気分だ。方言のパワーかもしれない。対立や葛藤を含んでいても全体としてうまくまとまっているように見えるから不思議だ。何かを隠そうとする者は、それが暴露しないように懸命に言葉を足していく。自分は知らないということを、徹底的に強調しようとする者は、特に怪しいのだ。では帽子を取り戻した熊が、饒舌になるのはなぜか。熊はとても大切なことを隠している!ひょっとして…
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Posted on 2016/02/23 Tue. 22:48 [edit]

category:   3) ブラックジョーク

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『ちがうねん』感想  

(作:ジョン・クラッセン、訳:長谷川義史、クレヨンハウス、2012年)「命の大切さ」等と怒らずに、ブラックジョークを素直に楽しもう。小魚は、大きな魚の帽子を盗んできた。大丈夫だろうか。小魚はたぶん大丈夫だと思う。根拠のない自信だ。草木の中に隠れれば大丈夫、カニは黙ってくれる、きっと大丈夫だという楽観的な気持ちは、期待であり、希望であり、そして幻想でもある。小魚は現実をしっかり見ていない。危機意識が薄い。小魚は、遠くからやってくる恐怖に気づかずに、のほほんと話をする。巨大な魚は、ぬーっと追いかけ、無言で迫る。食べたとは書いていないが、帽子は取り返した。ぞっとする恐怖を感じる。
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Posted on 2016/04/17 Sun. 21:11 [edit]

category:   3) ブラックジョーク

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