『しゃっくりがいこつ』感想  

(作:マージェリー・カイラー、絵:S.D. シンドラー、訳:黒宮純子、らんか社、2004年)ガイコツなのに、しゃっくりがとまらない。歯磨きしても何をしても止まらない。私達は無意味だから笑う。彼が困惑している姿を笑う。ガイコツという不気味な存在が極めて人間的な言動をするのもおかしい。ただ、ガイコツ自身は、普通に生きているだけなので、それを笑うのはちょっとかわいそうだ。彼は私達を笑わせているのではなく、笑われている。もう一歩考えを進めてみよう。私達はX線で見れば、みんなガイコツである。いくら化粧をしても、いくら威張っても、しょせんガイコツだ。「みんな一緒だ」と思いながら笑うのは、幸せなことだと思う。
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Posted on 2012/10/03 Wed. 21:44 [edit]

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『いっぽんばしわたる』感想  

(作:五味 太郎、絵本館、1979年)子どもが文章を創造すると、その通りに動物が橋を渡ってくれている。そんな印象を得た。それぞれの動物がどんな心境で、どのような理由で渡っているのかを想像してしまう。渡りたくないのだが、子どもがその言葉を発してしまったのだから仕方ない。言葉は、意味もなく発せられ、それを聞いた側はそこから世界を読み取る。シニフィアンの戯れか。

Posted on 2013/06/07 Fri. 22:55 [edit]

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『かしこいビル』感想  

(作ウィリアム・ニコルソン、絵ウィリアム・ニコルソン、訳:松岡享子、吉田新一、ペンギン社、1982年)少女メリーがおばさんの家に遊びに行く。カバンの中にたくさんのブラシや玩具を詰め込んで準備をする。なかなか全部きれいに入らず、入れ直しをしてやっと全部入った。と思ったら、最も大切にしている兵隊の人形「ビル」を入れ忘れてしまった。メリーが驚き、困っていると、ビルが起き上がって走り出す!さらに列車に追いついてメリーのもとへ! まるで無声映画を見ているようだ。本書全体が躍動感とスピード感で溢れる。物忘れという失敗を、笑いと愛情で包み込む力強さを感じる。本書で「かしこい」というのは知能がある玩具という意味であろう。
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Posted on 2015/12/09 Wed. 22:37 [edit]

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『とんでもない』感想  

(作:鈴木のりたけ、アリス館、2016年)男の子はサイのような強い鎧に憧れる。サイは兎の身の軽さに憧れる。兎はゆったり泳ぐ鯨に憧れ、鯨は陸を見下ろすキリンに憧れる。皆、とんでもない!と不満気である。自分にとっては長所ではなく生きるための術。それを褒められても嬉しくない。ここに登場する全ての動物が、自分の姿や形に不満で、だらけている。自分に無いものを求める。ただし本書の動物たちは、不満を抱きながらも、なんとか楽しく生きているように見える。冗談か、ギャグか、愚痴を吐いて笑っていれれば十分だ。隅々に張り巡らされたギャグで笑おう。金子みすずのパロディか?
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Posted on 2017/04/02 Sun. 11:20 [edit]

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『きたないよ!』感想  

(作:フランチェスコ・ピトー、絵:ベルナデット・ジェルベ、訳:栗栖カイ、ブロンズ新社、2002年)子どもは汚くても平気である。食べ物を直接手でつかんでみたり、お風呂の水を飲んでみたり、トイレや泥やゴミなどにも入りたくなる。どろどろぐちゃぐちゃしたものに混ざろうとする。一体、彼らは何をしているのか。外のものを内に入れ、内のものを外に出す。感触や流動というものを楽しんでいるのかもしれない。大人はそれを嫌がり注意するが、泣くまで叱ってはいけない。かといって容認したり賛同したりするべきでもない。あくまで、冗談っぽく笑って済ます程度で良いのだ。おおいに笑おう。彼らは秩序を壊すということをも楽しんでいるのである。
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Posted on 2017/12/13 Wed. 01:23 [edit]

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『ゆかいなかえる』感想  

(作・絵:ジュリエット・キープス、訳:石井桃子、福音館書店、1964年)魚に食べられずに生き残った4つの卵。蛙になって楽しく遊ぶ。競争したり、歌ったり、踊ったり。鳥や亀から逃げて隠れる。ピンチを娯楽に変える。愉快というのは、強力な生命力でもある。4匹いるからこその楽しさであり、1匹では楽しめない。揃って泳ぐだけで十分に楽しめる。横に長い絵本の広さを使って、左から右への時間の変化が表現される。遠くからやってきて手前に来る、手前の地点から奥の方へと進む。まるでアニメのようだ。気泡や水しぶき、水の流れや水の深さ、夜の静けさや歌声の響き方。全てが躍動的に描かれている。冬がくると眠る。
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Posted on 2018/02/27 Tue. 22:35 [edit]

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