『みっつのねがいごと』感想  

(作・絵:マーゴット・ツェマック、訳:小風さち、岩波書店、2003年)貧しい生活の木こりの夫婦。ある日、子鬼を助けたところ、願いを三つ叶えてくれると言われる。上等の服?立派な豪邸?荷馬車?まるで宝くじ。夢が膨らめば欲も出る、ケンカもする。夫が、とりあえずソーセージが食べたいな、と言うと、その言葉が現実になる。しまった!三つのうちの一つをここで使ってしまった。妻は怒って、ソーセージなんかあんたの鼻にくっつけばいいのよと言う。すると、その言葉もまた現実になってしまう。怒ったり、喜んだり、悲しんだり。一つひとつは真剣であるが、全体としてとらえれば小さなことである。物語は遠近法だ。
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Posted on 2016/03/27 Sun. 20:44 [edit]

category:   1) 不思議なことが起こる

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『まがればまがりみち』感想  

(作・絵:井上洋介、福音館書店、1999年)日暮れ時の路地。向こうから何が来る。巨大ながまがえる。あるいは、やもり。電車が迷って路地に入ってくる。巨大な煙突が、いくつも並んで歩いてくる。けむし。もぐら。水を撒く子ども。よく見るとおしっこか。路地の合間に巨大な星。本書は夕暮れの薄暗い雰囲気が描かれる。たまに、不気味な色に変わることもある。昼とも夜ともつかないこの時間。寸法が狂い、全てが巨大に感じる。こちらを睨んでいる。いるはずもない人が現れたり、物が動いたりする。早く帰らなければ、道に迷ってしまうだろう。薄暗い風景の中に黄色い光が輝く。まもなく夜だ。
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Posted on 2016/04/04 Mon. 21:56 [edit]

category:   1) 不思議なことが起こる

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『かいものさんぽ ごむぞうり』感想  

(作:荒井良二、絵:古賀鈴鳴、岩崎書店、2008年)広い空間に無数の事物が描かれる。少年がゴムぞうりを履いて、買い物に出かける。むしろ散歩だ。本屋、橋を渡り、犬と出会う。山が微笑む。電車が通る。複雑な物事がファンタジックに描かれる。少年は様々な絵本を立ち読みしているのかもしれない。太鼓を叩く少年と出会う(この頁だけ現実)。自分も太鼓を叩き、リズムを起こす。全ての要素が喚起され、一斉に踊り出す。壁は取っ払われ、世界中、さらには宇宙中が融合していく。そこで素敵な少女と出会う。食べ物の世界に入る。空腹だ。帽子の上の本は少年が作り出す絵本。イメージがどんどん湧く。
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Posted on 2016/04/17 Sun. 21:12 [edit]

category:   1) 不思議なことが起こる

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『おじさんのつえ』感想  

(作・絵:五味太郎、岩崎書店、1977年)少年は、おじさんが持っているものが杖であることを知っている。しかしそれだけではなく、もっとすごい装置のような気がする。これは何かと問う。地中や天空と会話が出来る電話。あるいは雲にぶら下がって移動できる乗り物。あるいは暗闇を照らしたり、敵を撃ったり、音楽を奏でたり。少年は、杖が広い世界とつながるツールではないかと想像する。夢の道具だ。非常に豊かな想像であるが、そこには、おじさんに対する尊敬のまなざしがある。一方おじさんは何も言わず、否定も肯定もせずに歩いていく。黙っていていい。子どもはそこに、深いものを見出す。
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Posted on 2016/12/25 Sun. 15:14 [edit]

category:   1) 不思議なことが起こる

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