『せかいいち おおきな うち』感想  

(作・絵:レオ・レオニ、訳:谷川俊太郎、好学社、1969年)ちびのかたつむりは、大きなうちを手に入れる。角の飾りと派手な模様。どうだ!すごいだろう?しかしうちが大きすぎて移動できなくなる。ちいさいままであれば、どこへも行ける。この話は身の丈にあった生き方を奨励しているのではない。自分の姿が美しくなるか、美しい世界を旅できるか、どっちがよいかと問うている。自意識にとらわれると、人は自由な思考や変化を楽しめない。巨大な殻の中の彼は、自分は美しいと思い込んでいる。しかし周りはそうは思っていない。つまり自己満足なのだ。なんだかとてもむなしい。読み手の人生を揺さぶる名著だ。
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Posted on 2012/04/01 Sun. 17:35 [edit]

category:   1) 自己の誇示

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『こぶじいさま』感想  

(作:松居 直、絵:赤羽末吉、福音館書店、1980年)鬼とは怖い存在だ。ただし無邪気で気分屋なところもある。山中で夜を明かすことになったじいさまは、鬼たちの踊りを前に、つい自分も踊り出てしまう。じいさまと鬼は、自己利益ではなく、楽しいかどうかを最優先にする。鬼は、明日も来いという意味でその大きなこぶを取り上げた。それを聞いた二人目のじいさまが、自分もこぶをとってもらおうと山中へ向かう。二人目のじいさまはこぶが邪魔。鬼は怖くない。「こぶとり」のために鬼を利用しようとする。近代的な合理主義者だ。彼は踊りが下手というだけでなく、踊りを楽しめない。鬼に嫌われたのだ。
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Posted on 2014/12/11 Thu. 21:34 [edit]

category:   1) 自己の誇示

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『ラリーはうそつき』感想  

(作:クリスティアーネ・ジョーンズ、絵:クリスティン・バトゥーツ、訳:つちやあきら、辰巳出版、2013年)「この公園は僕が作った」「僕はここにある本全部読んだ」「僕は湖の向こう側まで泳げる」等とラリーはウソをついてしまう。へーっという周囲の感心する姿が嬉しいのかもしれない。彼としては、面白く楽しくして表現しているつもりだ。彼は架空の物語を作るのも好きである。問題はウソをつくことそのものではない。そのウソで、誰も喜んでいないことにラリーが気づいていないのが問題なのだ。出来ないことを出来ると自慢したところで誰も楽しめない。自分の姿を大きく見せたり強く見せたりするよりも、素直な自分をさらけ出した方が魅力的に見える。
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Posted on 2015/12/12 Sat. 21:37 [edit]

category:   1) 自己の誇示

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『どうだいかすだろ!』感想  

(作:アンソニー・ブラウン、訳:山下明生、あかね書房、1985年)ジェレミーは、サムに対して、自転車、サッカーボール、お菓子等を自慢する。自慢げな表情。一方サムは、特に羨ましがるわけではなく平然としている。ジェレミーは最後には失敗する。本書は基本的な物語以外に多くの不思議なものが描かれる。それらはおそらくサムの空想であろう。窓の奥には変なものが潜んでいる。犬の散歩やゴルフの姿は、魚釣りを連想させる。洗濯物を見ればそこから様々なものを連想する。サムは世界やその空想を楽しんでいるのだが、ジェレミーは自分を誇示することばかりに関心がある。サムからすればジェレミーの姿は滑稽だ。
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Posted on 2015/12/12 Sat. 21:38 [edit]

category:   1) 自己の誇示

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『うそ』感想  

(作:中川ひろたか、絵:ミロコマチコ、金の星社、2014年)少年は身の回りの嘘を探す。母は年齢をごまかした。僕はおねしょをしたのに水をこぼしたと言った。ある子は、自分の父が総理大臣だと嘘をついた。それらは自分を守るための嘘、自分を大きく見せるための嘘である。テレビドラマは人を楽しませる嘘である。人を欺く嘘、相手を喜ばせる嘘もある。神様や鬼については、信じる者は真実だと思うが、信じない者は嘘だと思う。私たちは様々な場面で、様々な目的で嘘をつく。嘘をダメだと否定しても始まらない。むしろ嘘の中にこそ人間の本当の姿を見出すことができる。表紙は笑う犬?上を向く人?それも嘘?
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Posted on 2015/12/12 Sat. 21:39 [edit]

category:   1) 自己の誇示

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『いぬのおやくそく』感想  

(作:クリス・ホーンゼイ、絵:グゥイン・パーキンス、訳・編:みましょうこ、RIC出版、2007年)犬は飼い主に問いかける。泥遊びをしたら身体を洗うのはなぜ。人間のベッドで寝てはだめなのはなぜ。ずっと遊んでくれないのはなぜ。ソファーでジャンプしてはいけないのはなぜ。犬からすればもっと自由に、やりたいことをやりたい。飼い主は丁寧に説明する。その説明の全てが説得的であるとは思えないが、重要なことは約束を守ることで飼い主と一緒に生活が出来るということだ。共に生活するためには、お互いが守るべき約束がある。約束の中身は家庭によって変わる。飼い主が守るべき約束もある。同じことは人間同士、社会生活でも言えるであろう。
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Posted on 2016/02/25 Thu. 21:43 [edit]

category:   1) 自己の誇示

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『したきりすずめ』感想  

(作:石井桃子、絵:赤羽末吉、福音館書店、1982年)素晴らしい挿絵だ。じいさまとばあさまの生き様が対比的に描かれる。じいさまは自然や雀を愛し、困った人を助け、欲は少ない。もらったものに過度な期待をしない。ばあさまは自分の利益を最優先にし、雀には冷たく、困った人を助けようとしない。(ばあさまがこんなになった原因は、じいさまにある?)最後に利益を得て幸せになるのはじいさまの方である。雀は、正義の立場からばあさまを懲らしめているのではない。ばあさまを教育しようと思っているのでもない。素直な気持ちでばあさまと接しているのである。ヘビやガマガエルは、そのあらわれだ。
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Posted on 2016/02/26 Fri. 21:35 [edit]

category:   1) 自己の誇示

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『にぎりめしごろごろ』感想  

(作:小林輝子、絵:赤羽末吉、福音館書店、1994年)日本人の自然観、道徳観、宗教観が詰まっている。善い爺さまは富にありつけるが、悪い爺さまは全てを失う。にじりめしの扱い方でその人の生き方が分かる。悪い方の爺婆の姿は滑稽だ。ところで「悪い」とは何か。自己利益を追求し、それ以外の全ての周囲に対する優しさや配慮を欠く。そして全てを操作できると信じ、策略をはりめぐらして目標到達を目指す。本来、富というのは、真面目に生きてきた結果であって目的ではないはずだ。富に目がくらんで生き方を間違えてしまう。現代社会における企業、さらには行政さえも「悪い」存在なのかもしれない。
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Posted on 2019/10/06 Sun. 21:47 [edit]

category:   1) 自己の誇示

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