『おこる』感想  

(作:中川ひろたか、絵:長谷川義史、金の星社、2008年)子どもはよく怒られる。「なぜ自分は怒られるのか」という問いは、怒られたくないという不満から来る。寝坊、ピーマン残す、兄弟げんか、宿題忘れ、様々な場面を思い出す。怒られるのは嫌だ。私達は怒られないように生きようとする。結果的に孤独な人生を目指してしまう。本書の主人公は、その先へ目を向ける。「なぜ人は怒るのだろうか」…その問いは哲学的探究だ。よく考えれば自分だって怒ることがある。怒るのは「こうありたい」「こうなってほしい」という気持ちがあるからだ。かかわろうという気持ちは大切。ただし怒っても気持ちは晴れない。
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Posted on 2013/02/11 Mon. 14:02 [edit]

category:   3) 人間の素直な感情

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『ないた』感想  

(作:中川ひろたか、絵:長新太、金の星社、2004年)人は様々な場面で涙を流す。それらを分類したり整理したりすることも可能だが、「泣くこと」に共通する仕組みは何か。自分という入れ物を激しく揺さぶられた時に泣く。ということは、涙を流す瞬間とは、自分自身が大きくなったり、成長したりするチャンスだと言えるのではないか。そんなことを考えさせてくれる絵本。
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Posted on 2014/03/02 Sun. 23:44 [edit]

category:   3) 人間の素直な感情

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『でんでんむしのかなしみ』感想  

(作:新美南吉、絵:井上ゆかり、にっけん教育出版社、2005年)でんでんむしは、ある時ふと気づく。自分の背中の殻の中には、悲しみがいっぱい詰まっている。自分が不幸に思えてくる。「自分が可哀そう」という自己中心的な悩みだ。彼は、周囲の誰かに自分の苦しみを共感してもらおうと試みる。他人に処理してもらおうなど都合が良すぎる。実際に他のでんでんむしたちも皆、悲しみを背負っていた。悲しみのない者はいない。でんでんむしは、嘆くことをやめた。最後は、幸福になったわけではなく、他者への訴えを諦めただけである。本書は暗い。自分の心の内側を忘れて、世の中の楽しい出来事に目を向けるべきだ。
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Posted on 2015/12/14 Mon. 22:09 [edit]

category:   3) 人間の素直な感情

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『おしゃべりなたまごやき』感想  

(作:寺村輝夫、絵:長新太、福音館書店、1972年)ある王国の話。誰かが鶏小屋の扉を開けてしまい、鶏たちが城中に出てしまう。犯人を捕まえよと王様。実は扉を開けたのは王様本人だった。真実を言わずに黙っているのは、楽しくもありスリリングでもある。王様は、目の前の鶏に真実を語ってしまう。鶏はその言葉を卵に閉じ込めた。卵を食べる際に言葉が飛び出す! 本書は閉じ込めたものがあるきっかけで開放され、中から飛び出してしまうさまが二度描かれる。私たちは秩序によって様々な心境を抑圧する。抑圧すればする程、そこに欲望が生まれる。欲望は、抑圧の反作用で噴出の機会を伺うのである。
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Posted on 2016/01/28 Thu. 22:30 [edit]

category:   3) 人間の素直な感情

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『きもち』感想  

(作:谷川俊太郎、絵:長新太、福音館書店、2008年)玩具の取り合い。勝った者は喜び、負けた方は悲しい。捨て猫は可哀そうだ。予防注射は怖い。そして、痛い。他の子に泣いている姿を見られると、恥ずかしい。父母のケンカ。大海で溺れる夢を見る。文章は少ない。読み手が補いながら読む。私たち大人は、子どもが悲しい気持ちになることは出来るだけ避けたいと願う。しかし様々な人間関係の中では悲しみや驚きが起こるのは必然である。むしろ多様な感情が湧き出ることに意味がある。最も重要なことは、自分と他者が同じ気持ちを共有・共感できるということだ。それこそ人間の人間であるゆえんである。
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Posted on 2016/04/06 Wed. 21:39 [edit]

category:   3) 人間の素直な感情

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『でっかい でっかい モヤモヤ袋』感想  

(作:ヴァージニア・アイアンサイド、絵:フランク・ロジャース、訳:左近リベカ、そうえん社、2005年)ジェニーは最近、憂鬱だ。親友が外国へ行く。成績や噂話が気になる。父母はケンカしそうだ。気がつくとモヤモヤ袋になっている。周囲に相談しても相手にしてもらえない。それでも出てくるのだ。おばさんが袋を空けて中身を整理してくれた。すると全部消えてしまった。人間の悩みの多くは、自らの想像上の産物であり、よき共感者がいれば殆どの場合は消えてしまう。よく表現されている。ただし本書は軽い。親友が外国へ行くのがなぜ憂鬱なのか、父母はどんな会話をしていたのか。より詳細に検討すべきではないか。現実を変えてこそ問題解決だと思う。
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Posted on 2016/05/07 Sat. 23:23 [edit]

category:   3) 人間の素直な感情

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『おばけリンゴ』感想  

(作・絵:ヤーノシュ、訳:矢川澄子、福音館書店、1969年)貧乏な男の家のリンゴの木は、花も実もつけなかった。男の祈りが通じて花が咲き、巨大なリンゴに成長する。大きすぎて誰も買わない。自然の力ではない、人為的な力を加えるといびつな形の狂った作物が出来てしまう。そんなある日、邪悪な竜が国中を襲い、畑の作物を食べつくしてしまう。国王はその巨大リンゴを竜に与えた。竜はそれをのどに詰まらせて死ぬ。狂った作物は狂った化け物をも倒してしまう力がある。毒をもって毒を征する。人は超越した力を欲するが、いざ手にすると自滅をもたらす。祈りは、静かに普通に、平凡な生活を願う程度でよい。
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Posted on 2016/08/02 Tue. 22:28 [edit]

category:   3) 人間の素直な感情

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『気持ちの本』感想  

(作:森田ゆり、絵:たくさんの子どもたち、童話館出版、2003年)嬉しい時、悲しい時、自分の心の中がいまどんな状態であるかを絵で表現する。子どもたちによるその描き方はとても豊かだ。泣いてもいい、怒ってもいい、嬉しい気持ちを伝えれば2倍になる、気持ちを伝える相手を探そう。いずれも子どもに対する作者のメッセージだ。私はやや否定的。子どもが感情表現を抑えてしまうのは、周囲の大人が問題なのに、子どもに努力を求めている。本書は、感情の存在と感情の表現に焦点を置くが、なぜ自分が不満なのか、なぜ自分が嬉しいか、本当はどうありたいのか、という理由や本質に向かうことの方が大切ではないか。
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Posted on 2017/10/07 Sat. 16:56 [edit]

category:   3) 人間の素直な感情

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『きもち』感想  

(作:ジャナン・ケイン、訳:いしいむつみ、少年写真新聞社、2013年)いろんな気持ちになる。ふざけて遊びたくなる時、怖くて震える時、悲しんだり、幸せを感じたり。それら感情を言葉と絵で表現するのが本書だ。1つの感情を1頁で示す。本書が目指すのは、自分でも分からないこの感情をこういうものだと自覚し、それを正しく処理せよということである。絵本の使い方まで書いてある。私は本書については否定的。本当はもっと強い意思や苦悩のはずが、たんなる「気の持ち方」になってしまうのではないか。感情も単純化しすぎ。こういうものだと言われると味気ない。本当に気持ちが処理できるならば、芸術や哲学は不要。
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Posted on 2018/03/10 Sat. 23:00 [edit]

category:   3) 人間の素直な感情

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