『ぞうのさんすう』感想  

(作・絵:ヘルメ・ハイネ、訳:いとうひろし、あすなろ書房、2000年)うんちの足し算という一見すると簡単な動作だが、それが意味するものはとても深い。人間の一生をこんなふうに圧縮してみれば、なぜか読者の心は揺さぶられる。私達はこの運命から離れることはできない。しかしながら、あるいは運命であるがゆえに、無数の喜びと感動があるのかもしれない。
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Posted on 2011/11/08 Tue. 22:48 [edit]

category:   1) 人生を振り返る

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『ルピナスさん』感想  

(作・絵:バーバラ・クーニー、訳:掛川恭子、ほるぷ出版、1987年)少女アリスは、祖父に大切に育ててもらう。アリスは「大きくなったら遠くの世界へ行きたい。老いたら海の近くに住む」と自らの夢を語る。すると祖父は「世の中を美しくするために何かしてほしい」とアリスに伝える。大きくなったアリスは、南国や雪山、ジャングルや砂漠で様々な人々と出会い、最後は海で静かに暮らす。その後、老いたアリスは、ルピナスの花を植えて町中を美しくするということを思いつく。大人は子どもたちに夢を与えるべきである。夢とは、職業ではない。心の隅に置いておき、いつか叶えたらいいなと思うような美しい理想である。
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Posted on 2015/12/15 Tue. 21:44 [edit]

category:   1) 人生を振り返る

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『つみきのいえ』感想  

(文:平田研也、絵:加藤久仁生、白泉社、2008年)老人が一人で家に住む。海面は上昇し、水面下には過去の家(記憶)が蓄積されている。まるで積木のようだ。潜ってみると、過去を思い出す。本書は温暖化の話ではない。過去の人生を土台にして現在があるということ、ふだんは過去を忘れているということ、常に波の向こうから新しい出会いがあるということ、にもかかわらず過去が幸せであればあるほどそこから離れられないということ、等を示している。本書は、人生を象徴している絵本だ。なお最後のシーンで、老人はたんぽぽを発見して喜ぶ。大地はなくとも、ここから新しい命がスタートできるのだ。
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Posted on 2015/12/15 Tue. 21:45 [edit]

category:   1) 人生を振り返る

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『ジャリおじさん』感想  

(作・絵:おおたけしんろう、福音館書店、1994年)海辺に住む砂利おじさんが歩き出す。黄色い道の先が気になったからである。ピンクのワニ、青いゾウ、太鼓おじさん、様々な出会いがあるにもかかわらず、その相手とは言葉が通じない。もう一人の自分と出会い、そこでやっと言葉が分かる。なるほど、私たちは、自分と同じ存在を想定してこそ話が出来るのである。青い神様がいるという。それは究極の自分自身である。自分自身を完成させるという目標に向かう。しかし彼は疲れてしまい、目標を見失う。海に到着した。そこは最初と同じ地点だが、ワニという友がいる。本書は、人生そのものを描いている。
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Posted on 2016/01/30 Sat. 22:11 [edit]

category:   1) 人生を振り返る

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『きみがしらないひみつの三人』感想  

(作・絵:ヘルメ・ハイネ、訳:天沼春樹、徳間書店、2004年)身体の中には君が知らない三人がいる。アタマはかせは知、ハートおばさんは心、いぶくろおじさんは食。意識していないところで三人は働く。アタマはかせは記憶を整理し、ハートおばさんは傷付いた心を修復する。いぶくろおじさんは入ってきた食べ物をうまく調整して消化する。私たちは自分の身体の全てを意識しているわけではない。自分という存在は、実に多様で複雑なのだ。時には彼らの働きにじっと耳を傾け、自分自身と対話するとよいだろう。本書は死んだ後のことにも触れる。こうやって死後もなお彼らが働くと思えば、なんだか安心して死ねる。
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Posted on 2016/03/29 Tue. 21:03 [edit]

category:   1) 人生を振り返る

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『エマおばあちゃん』感想  

(作:ウェンディ・ケッセルマン、絵:バーバラ・クーニー、訳:もきかずこ、徳間書店、1998年)エマおばあちゃんは、多くの子どもや孫たちに囲まれて幸せそうに見える。しかし本当はどうか。孫が来た時には寂しさは紛れるが、帰ってしまえば再び孤独だ。真の意味で充実していなかったのだ。ふとしたことから、おばあちゃんは絵を描くことにした。その絵は昔の思い出である。長い人生を経てきて、表現したいことが山のようにある。それを表現せずにここまで生きてきたのだ。雪景色、猫、かぼちゃのたね。心は、いっぱいに詰まった状態。おばあちゃんはそれを一つずつ表現していき、多くの人に伝え、そして幸せを実感していく。もう、寂しくない。
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Posted on 2016/04/06 Wed. 21:40 [edit]

category:   1) 人生を振り返る

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『生きる』感想  

(詩:谷川俊太郎、絵:岡本よしろう、福音館書店、2017年)詩は知っていても本書は驚く。何気ない日常の風景が描かれているだけなのだが、詩と合わせると不思議な重みと感動が加わる。なんだか凄いものを見たような感想だ。蝉の死骸に蟻が集まる。公園で子どもたちが遊んでいる。親子やペットが行き交う。子どもと老人、日向と日陰、人々が行き交う商店街の風景、様々な会話、誕生日。生きるとは私たちの雑多で豊かな生活全てを指している。作者は、私たちの平凡な生活がとても美しく素晴らしい姿だととらえているようだ。ただここで描かれている風景はむしろ昭和であり、現代社会はここから少し離れている。
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Posted on 2019/03/10 Sun. 22:55 [edit]

category:   1) 人生を振り返る

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『いつも だれかが…』感想  

(作:ユッタ・バウアー、訳:上田真而子、徳間書店、2002年)少年は気付いていないが、彼が危険な際、いつも誰かが手を差し伸べていた。少年が苦難を乗り越え、多くの成功と幸運を勝ち取って生きてこられたのは、決して彼だけの力ではない。戦争や貧困の中でも、いかなる窮地の中でもうまく生き延びてこられたのは、自分の力以外の大きな力が働いていたはずである。きっと本書のような優しい天使が守っていてくれていたにちがいない。本書で主人公は最後までこのことに気づいていない。それでも天使は怒りはしない。もし年老いて神の存在に傾倒するとするならば、是非とも自分を守ってくれた天使に感謝しよう。
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Posted on 2019/05/14 Tue. 05:22 [edit]

category:   1) 人生を振り返る

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