『ろくべえ まってろよ』感想  

(作:灰谷健次郎、絵:長新太、文研出版、1978年)穴に落ちた子犬のろくべえを子どもたちが救出する。ここに登場する大人はテキトー。だからこそ子どもたちが本気になれる。大人が本気になれば子どもの出番がなくなる。また大人は子どもが夜に外出してても気にしない。ここには子どもだけの空間がある。友達とは、相互理解ではなく、課題や目標を共有することだ。友達が出来にくいのは、このような空間がないからだろう。子どもたちの真剣さには温度差があって個性が出ている。絵を縦に描くことで、深さや視線の違いを表現できている。全体的には暗い色彩だが、それが最後の明るさを引き立てている。
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Posted on 2013/03/14 Thu. 23:17 [edit]

category:   3) 遊びの場

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『うずらちゃんのかくれんぼ』感想  

(作:きもと ももこ、福音館書店1994年)ひよこちゃんとうずらちゃんとのかくれんぼの話。ここでのかくれんぼは、本当にどこかに隠れてしまうのではない。自分の身体が周辺の風景と同化することだ。変身の楽しさ。擬態。それゆえよく見れば発見できる。本書は読者が二人をさがすかくれんぼも含む。美しい花に囲まれた子どもの世界。親子の距離はとてもよい。本書は、親が迷子になりかけた二人を探し当てるかくれんぼも含んでいる。かくれんぼが楽しいのは、迷子と発見、消失と出現を再構成することで自分自身の意味付与を実感しているのからだ。自分たちでルールを共有することも楽しい。
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Posted on 2013/09/14 Sat. 00:02 [edit]

category:   3) 遊びの場

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『ともだち』感想  

(作・絵:ヘルメ・ハイネ、訳:いけだかよこ、ほるぷ出版、1996年)牛や豚のいる農場。ネズミ、ブタ、ニワトリの3人は仲良し。三人で自転車に乗る。かくれんぼ。ボートに乗って海賊ごっこ。みんなで食事。みんなで一緒に寝ようとするが…それは難しかった。美しい風景の中で充実した時間が過ぎていく。3人は似た者同士ではなく、バラバラな面が出ることもある。息を合わせることが必要だ。自転車はそれを象徴している。違うからこそ、お互いの失敗もフォローしあえる。2人の場合、相手の言動を全てこちらが引き受け取るため、やや重い。3人の場合はそこにクッションが入る。3人揃って一つの雰囲気が出来上がる。
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Posted on 2015/11/22 Sun. 17:32 [edit]

category:   3) 遊びの場

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『ぼくらのむしとり』感想  

(作:柴田愛子、絵:伊藤秀男、ポプラ社、2005年)高価な玩具がなくとも網と籠だけで遊べる。4人の少年たちは近くの森へ向かう。採った虫は4人の宝物だ。セミ、バッタ、カマキリ、等。小さなものが動く。それだけで心が揺れる。夕焼け空は、急に不気味な光景となる。採ったセミは解体して蟻の食糧にする。ドキドキする。ついにはカブトムシを見つける。本人たちは遊んでいるつもりではなく、不思議な世界の中に入り、宝物を探し求め、自分たちだけの空間を樹立しようとする。発見と驚きと感動がある。通りかかりの大人たちはみんな笑顔だ。少年たちが大人になると思い出とともに美しい風景が蘇る。
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Posted on 2015/11/22 Sun. 17:33 [edit]

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『ぼくとおおはしくん』感想  

(作・絵:くせさなえ、講談社、2011年)年上の大橋君と僕との出会い。大橋君は亀を捕まえたり、ザリガニを見つけたり、秘密基地を作ったり、遊びが得意だ。遊びの中でも知性を感じる。亀の甲に名前を書くというのは、子どもらしい発想。ここでは許してあげよう。大橋君のダメなところも見えるがそれでも僕はついていく。この距離感がいい。子どもたちだけで世界を作ったという経験は大切にしたい。亀は逃亡し、二人は捜索する。二人の姿は美しい風景の一部となる。なお、見つけた際に大橋君は涙を流す。自分の世界作りを諦め、自然という世界に感動するからだ。後日、友達は6人に増える。
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Posted on 2015/11/22 Sun. 17:34 [edit]

category:   3) 遊びの場

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『うごいちゃだめ!』感想  

(作:エリカ・シルヴァマン、絵:S.D.シンドラー、訳:せなあいこ、アスラン書房、1996年)あひるとがちょうの力比べ。泳ぎはあひるの勝ち。飛ぶのはがちょうの勝ち。さて次は、じっとしているという競争。動いたら負けだ。生命がたんなる「モノ」を演じるのは難しい。虫や他の動物がやってきてじろじろ見る。それでもお互いピクリとも動かない。しばらくするときつねがやってきた。このままでは食べられてしまう! 本書は、遊びとホンキの境目でのチキンレースである。お互いが、相手の腹の内を探り合うところがいい。遊びとは、無理なことに取り組む際のドキドキした困惑やトラブルを楽しむことである。大人になるとこの遊び心を忘れる。
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Posted on 2016/02/29 Mon. 22:04 [edit]

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『ウエズレーの国』感想  

(作:ポール・フライシュマン、絵:ケビン・ホークス、訳:千葉茂樹、あすなろ書房、1999年)他の子と趣味も性格も違う。個性的なウエズレーには、友達がいない。夏休みの自由研究で自分だけの畑、自分だけの文明を作ることにした。作業の機械や服も作った。他の子も不思議がって集まってくる。遊びも考えた。こうしてウエズレーの国が出来上がる。新しいアイデアを生み出すのは難しい。多くの子は周囲に流されているだけ。アイデアとは生きる力でもある。一般的に個性的な人間は集団に背を向けてしまうが、ウエズレーは違う。彼に友達が出来たのは、彼が豊かなアイデアを持っているからであり、しかもそれを他者と共有しようとしているから。
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Posted on 2016/03/22 Tue. 21:44 [edit]

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『おべんともって』感想  

(作:森山京、絵:片山健、偕成社、2004年)熊の子が、仕事をしている父のもとへ弁当を届けにいく。途中で狐や猿と出会うが、いつものようには遊べない。今回は目的があるからだ。他にも多くの出会いがある。父のもとへ行き、弁当を食べる。紅葉が美しい。目的を達成し、今度は熊の子が暇になる。他の動物たちは忙しくて相手をしてくれない。それぞれの都合があれば一緒には遊べない。熊の子は、皆で一緒に遊んでいる夢を見る。本書で動物たちは怒ったり困惑したりすることなく、日常をのんびり暮らしている。多くの相手と少しずつ会話をする。友達関係も、親子関係も、ちょうどよい距離感だ。
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Posted on 2016/04/23 Sat. 22:02 [edit]

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『きょだいな きょだいな』感想  

(作:長谷川摂子、絵:降矢なな、福音館書店、1994年)広い野原に巨大なピアノがある。子どもたちが乗っかって遊ぶ。巨大な石鹸では泡だらけだ。巨大な電話から幽霊の声。巨大なトイレットペーパ-は皆で使う。巨大な空き瓶でおやすみ。全ては魅力的な遊具になる。巨大な桃からは無数の桃太郎。泡立て器で空をかき混ぜ、扇風機で吹き飛ばされる。本書は、子どもの豊かな想像力を示す。スケールが狂ってしまったらどうなるか。子どもは自分という存在や世界に対する認識が曖昧であるから、自在にスケールを変化させることができる。楽しい時間を共有することができれば、人生そのものが希望に満ちてくる。
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Posted on 2016/04/23 Sat. 22:02 [edit]

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『どのきのしたにあつまるの』感想  

(作:にしむらひろみ、絵:どいかや、鈴木出版、2003年)皆でピクニック、朝9時に広場の木の下に集合という約束だ。ところが、りす、さる、きつね、それぞれが思う木は別だった。時間は守っているのだが、約束が曖昧だったから大変。言わなくても分かると思っていた? 仲の良い証拠でもある。そこへ、遅れてきたたぬきが探してまわる。たぬきは時間に遅れた一方、約束が曖昧だったことに気づく。たぬきがいなければ永遠に待つことになる。誰も怒ったり責めたりすることがない。それは楽しい時間に向けて進んでいるからである。トラブルさえも楽しい思い出に変える力。これこそコミュニケーション能力だ。
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Posted on 2016/04/24 Sun. 21:24 [edit]

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