『ヘリコプターたち』感想  

(作・絵:五味太郎、偕成社、1997年)大空を飛ぶ二機のヘリコプター。風の中を遊んだり、嵐の中支え合ったり、共に敵と戦ったりする。境遇を乗り越え、そして静かな夜を迎える。夜が明け、無数の子どものヘリコプターが誕生する。本書は出会いから結婚出産までの人生を象徴的に描いている。人間ではなくヘリコプターで表現する。私たちはそれゆえ、ヘリコプターの中に、最も人間的なものを発見するという経験が出来る。二人は、お互いを見つめ合うというよりは、遥か彼方を共に見つめる。広い世界の中で冒険を続けるがゆえに、肩を寄せ合い、支え合う。これこそ自然な形の恋愛だと思う。
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Posted on 2011/10/20 Thu. 21:49 [edit]

category:   4) 結婚

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『タンゲくん』感想  

(作・絵:片山健、福音館書店、1992年)タンゲくんのかわいくないところがかわいい。怪我をして、薄汚れて、誰かに媚びるわけでもない。そんな所謂「かわいくない」ところが、とっても「かわいく」見える。女の子のタンゲくんに対する好意は、一方通行である。しかし相思相愛でないあたりが、またよい。こんなぎこちないコミュニケーションこそ、とっても美しいと思う。タンゲくんの睡眠をそっとしておいてあげたいし、この家族、そして女の子の気持ちも、そっとしておいてあげたい。

Posted on 2011/11/17 Thu. 21:57 [edit]

category:   2) 女の恋心

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佐野洋子『100万回生きたねこ』感想  

(作・絵:佐野 洋子、講談社、1977年)嫌悪感でいっぱいになる。愛すること、愛されること、相手のために自分をささげること、それが大切なことは分かる。しかし誰かを愛せなければ天国へいけないというのは、冷たい。生と死は運命であるが、恋愛は偶然であり、奇跡である。恋愛が成功する人もいるが、ごんたろうのようにうまくいかない人もいる。100万回の苦痛を味わえというのだろうか。恋愛が出来なくても天国へ連れていってほしい。恋愛が成功しなければ結婚すらできないという世の中の方がおかしい。白い猫が死んでおお泣きした後も、なお明るく生きて欲しい。
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Posted on 2011/12/24 Sat. 01:39 [edit]

category:   5) 恋愛とは何か

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『トリゴラス』感想  

(作・絵:長谷川集平、文研出版、1978年)小学生の男の子とはこういう存在。日常生活を超越するような圧倒的なパワーに憧れる(出来ればその怪獣を倒したい)日常生活に登場する女の子の美しさに憧れる(出来ればその女の子と結ばれたい)。しかし今の自分はたんなる子ども。男の子は、この不均衡の中で呼吸する。母親のみなさん、心配ご無用。少年は立派に成長してくれます!この時期にはたっぷりと妄想させてやってください。長谷川集平の、男の子たちに対する優しさがつまった絵本。

Posted on 2012/01/10 Tue. 22:49 [edit]

category:   1) 男の恋心

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『となりの せきの ますだくん』感想  

(作・絵:武田美穂、ポプラ社、1991年)女の子から見れば怪獣。いじわるをするから。灰色の風景の中しぶしぶ学校に行く姿が描かれる。しかし多くの読者はむしろ怪獣の方に共感するだろう。彼はとなりの女の子にちょっかいをかけてしまう。強い自分のアピールか。周囲の全てを操作決定しようとする。いかにも男の子だ。女の子はそのゴーインな姿が怖い。男の子は、となりで自然な表情で座る女の子があまりにも素敵なので何をすればいいのか分からない。実は主導権を握っているのは女の子の方だ。不器用な男はそれに振り回される。初恋は失敗する。これをいじめと言わずに見守って欲しい。

Posted on 2012/07/24 Tue. 21:19 [edit]

category:   1) 男の恋心

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『つるにょうぼう』感想  

(作:矢川澄子、絵:赤羽末吉、福音館書店、1979年)多くの女性は自分の美しさがどこにあるか分からないから化粧やおしゃれをすると思う。無音で無感情で単調な男の生活は、一人の女性で一変する。会話が生まれ、音が生まれ、変化と喜びが現れる。この幸福な時間を永遠にするためにあらゆる実践と努力を行う。その結果生活は壊れてゆく。そんな悲しい話だ。この物語は「助けてくれてありがとう」というお礼の話ではない。紛れもなくこの女性はよ平に惚れ、出来ることならば一生幸せに暮らしていきたかった。男が男らしく、女が女らしくあるからこそ、別れがやってくる。最後の無音のページが印象的。

Posted on 2013/04/28 Sun. 19:22 [edit]

category:   1) 男の恋心

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『しろいうさぎとくろいうさぎ』感想  

(文・絵:ガース・ウィリアムズ、訳:松岡享子、福音館書店、1965年)恋愛と恋愛結婚を賛美する絵本。当事者の気持ちはこんなものかもしれないが、人生観、人間関係、風景、世界観、葛藤や迷いなど恋愛以外の要素が一切描かれていない。好きになった理由、人物の魅力すら描かれていない。ストレートすぎて婉曲表現もない。ここでの祈りとは未来の変化を禁止するものだ。迷いも不安も否定され、スキという感情だけを強調する。恋愛結婚の徹底的な美化で、読んでいて息苦しい。むしろ怖い。恋愛を夢見る読者は癒されるかもしれないが、作品としての深みや感動はない。逆にみんな恋愛に飢えているのかも。
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Posted on 2013/06/07 Fri. 23:05 [edit]

category:   4) 結婚

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『パイルドライバー』感想  

(作・絵:長谷川集平、復刊ドットコム、2004年)ブン君が、好きな女の子にいじわるをしてしまう(男の子とはそういう面がある。好意を隠し、強さをアピールしてしまう)。本書では女の子は、本当はめちゃくちゃ強くてプロレス技をかけてくる。ブン君はいっそう女の子が好きになった。それはなぜ? 二人だけの秘密を共有できて嬉しいから、身体的接触が出来て嬉しいから、特殊な魅力にひかれていくからである。男の子が恋心をいだくのは、優しさで包み込んでくれると同時に、少しだけ自分を大きくしてくれる時である。少年は強いものに憧れ、美しいものに憧れる。二つの願望は少年の中で融合する。

Posted on 2013/06/29 Sat. 22:51 [edit]

category:   1) 男の恋心

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『にんじんケーキ』感想  

(作・絵:ノニー・ホグローギアン、訳:乾侑美子、評論社、1979年)男女の難しさとはこういうものである。男性は、自分の世界を作り言葉を発すれば、相手が喜ぶと思う。相手を楽しませようと力が入り、気がつけば自慢話になってしまう。女性は感じたことをそのまま伝えたい。男性は、話の内容はあまり気にせず彼女の心の揺らぎを感じてあげよう。分かっちゃいるけど難しい。男女は、どちらも期待する返事が得られずに困ってしまう。では、一切の縁を切って新しい出会いに賭けるか。黙って一緒にケーキを食べるか。恋愛を楽しみたいのならば前者だが、本書は後者を選択する。私も後者を選ぶ。それは歳だからか?
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Posted on 2013/12/14 Sat. 17:27 [edit]

category:   4) 結婚

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『みさき』感想  

(作:内田麟太郎、絵:沢田としき、佼成出版社、2009年)夏の風景が美しい。汽船の音を聞き、岬を目指して走る少年。突然のスコール。灯台のある岬についた時には、遅かった。落胆して帰る姿が表紙の表情である。説明は全くない。まるで映画のワンシーンだ。少年はなぜ走るのか。誰が汽船に乗っているか。親友か。先生か。そこまで求めていながら、なぜスコールで立ち止まるのか。なぜぬいぐるみは、初めて海を見るのか。読者は何を思うか。解釈は自由だ。私の推察は、少年の初恋の話。都会の雰囲気を背負う少し年上の女性が、島から去って行く時の汽船だと推察する。名前はみさき。そんな雰囲気を感じる。
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Posted on 2014/06/12 Thu. 21:12 [edit]

category:   1) 男の恋心

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