『ちゃんとたべなさい』感想  

(作:ケス・グレイ、絵:ニック・シャラット、訳:よしがみきょうた、小峰書店、2002年)一見すると大笑いする楽しい絵本だが、意味していることはとても奥が深い。デイジーが食べない理由と、デイジーが怒っている理由は別である。デイジーが怒っているのは「おまめきらい」という言葉に対して母親が無視しているからである。大人は子どもにいろんなことを伝えようとするが、それは「操作」なのかもしれない。最後までまめは食べない。しかし大切なつながりを得ることができた。デイジーの強さと優しさに、惚れてしまう。




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Posted on 2011/10/22 Sat. 22:22 [edit]

category:   3) 母親の迷い

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『いいこって、どんなこ?』感想  

(作:ジーン・モデシット、絵:ロビン・スポワート、訳:もきかずこ、冨山房1994年)いいこってどんなこ?と不安になる子うさぎ。泣いたっていいのよ、おばかさんになってもいいのよ、私はあなたが好きよ、とお母さんうさぎは言う。包容力のある母と、見捨てられる不安でビクビクする子ども。この構図がとても不可解だ。こんな立派な母親のもとで子どもがこんなふうになるとは思えない。ここで描かれる理想的な母のすぐ後ろに、本当の母がいる。現実は、ガミガミ叱ってばかりいる母と極度に不安になる子どもの関係。これは子どもが描く想像上の母かも… そう思うと怖い。母親が叱ってばかりいるのは、父親(その役)が不在だからだ。

Posted on 2011/12/29 Thu. 11:14 [edit]

category:   3) 母親の迷い

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『だれがきめるの?』感想  

(作・絵:スティーナ・ヴィルセン、訳:ヘレンハルメ美穂、クレヨンハウス、2011年)くまの母と子。「さあ、もう寝る時間よ」と母、子どもはまだ寝たくない。ヨーグルトを食べなさい、早く出かけなさい等。母は何かと子どものことを決めてしまう。親が決めてしまうのは、威張りたいからではない。広い視野と時間の感覚を持っているからだ。しかし子は従わない。母の苦悩だ。母が丁寧に説明したとしても、子が従うとは限らない。子は自分のことを自分で決めたいだけだからだ。本書は、それを優しいイラストで表現する。二人の気持ちが重なった時には、二人はくっついて描かれる。母子がくっついたり離れたりする貴重な時期である。
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Posted on 2015/11/21 Sat. 17:50 [edit]

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『ママがおこるとかなしいの』感想  

(作:せがわふみこ、絵:モチヅキマリ、金の星社、2006年)女の子メグは、たっくんとケンカ。母は、メグがわがままだと言う。父親、兄、皆言うことが違う。祖母はメグの気持ちを理解している。ピアノがいやだというと、母はメグがおこりんぼだという。本当の気持ちは、なかなか自分でもつかめないことがある。本当はたっくんと仲良くしたい、本当はピアノがうまくなりたい。しかし口から出てくることばは、不満や抵抗といった形になる。母親も怒ってしまう。大切なことは、母親が完璧になることではなく、複数の大人が多様な解釈をすることである。叱る人も慰める人も無視する人もすべて良き環境となりうる。
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Posted on 2016/03/21 Mon. 09:04 [edit]

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『まって』感想  

(作:アントワネット・ポーティス、訳:椎名かおる、あすなろ書房、2015年)子育て中はよくある話。電車の時間に間に合うように急ぐ母と、その途中で様々な風景に心を動かす子ども。二つの対比が描かれる。高い視点と低い視点、前進と後退、遠くの未来を見つめる大人と近くの現実を見つめる子どもの対比でもある。あるいは問題解決の思考と風景を鑑賞する思考との対比か。二人は見えている世界が全く違う。世界が違えば会話にはならない。「待つ」というのは、たんに我慢することではなく、相手の世界に敬意を払うということだ。現代人には苦手か。相手の世界観からものごとを考えるということはとても大切。ラストは美しい。
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Posted on 2018/05/04 Fri. 00:11 [edit]

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『ママがおばけになっちゃった!』感想  

(作:のぶみ、講談社、2015年)母の死という重いテーマだがその扱い方は極めて雑で軽い。なぜこんなに軽いのか。コントのような場面が出てくるが、一生懸命な姿を見て笑うというのは残酷だ。死んだママが幽霊となり再会するも再び離別。それはなぜか。ママの言葉が死別の時とは思えないほど軽い。これは1か月離れる時の言葉だ。最後は「産んで良かった」「あなたで良かった」等という言葉がしつこい。まるで今日までの子育てを誰かに否定されたかのようである。何があったのだろうか。子の言葉も妙に大人っぽい。おいおい泣いているが共感できない。つられて泣く人が多いのかも。
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1.はじめに
 とてもよく売れているそうですが、賛否両論あると言われています。(アマゾンレビューでも星5つと星1つに分かれています。)結論を先に言えば私は否定的です。のぶみ氏が一生懸命に作って世に問うた作品ですから、こちらも一生懸命に読み込んで考えて分析してみたいと思います。もやもや感や嫌悪感のようなものが湧き出るのはなぜか、なぜこのような作品が売れるのか、という点についても考えてみたいと思います。
 基本的には、「死んでしまった後に、おばけとして再会する、そして本当の別れをする」という内容です。最後は「ママと一体になる」ということが示唆されますが、死別という点であることには変わりがありません。以下、詳しく取り上げてみます。
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Posted on 2018/06/15 Fri. 00:11 [edit]

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『おこりんぼママ』感想  

(作・絵:ユッタ・バウアー、訳:橋本香折、小学館、2000年)ペンギンの親子。母が大声で怒鳴ると子の身体がバラバラになって飛んでしまう。母のパワーは圧倒的だ。勿論、母にも言い分があるはず。何が飛んでいったのだろう。おそらく自分の心、プライド、培ってきた能力か。子は足だけになってしまう。主体は足にあるのだ。子は飛び散った自分の身体を取り戻そうとするが、世界中に飛んでしまったので回収は困難。回収したのは母だった。巨大な船は母の大きな愛を象徴する。これは真面目な話だと思う。子は母を恨むわけではない。母は、回収するだけの自信と愛があるからこそ、厳しい叱責もできたのだと思う。
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Posted on 2018/09/08 Sat. 00:56 [edit]

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『まねっこでいいから』感想  

(作:内田麟太郎、絵:味戸ケイコ、瑞雲舎、2009年)だっこを知らずに育った女性は、母親になってもだっこをしない。本当にその意義が分からない。ある日、娘が真似でいいからだっこをして、という。推察するに娘がだっこをしてと言った際、母は何度かイヤだと言ったのだ。だから気をつかい、まねっこならいいでしょと言っている。なんとけなげなのだろう。なぜ犬たちもだっこをするのか。たんに真似てみたいと思ったのか。おそらくは、女の子の熱い思いが伝わったのだ。女の子の言葉をきいてだっこしたくなった。美しい光景だ。母親は、子の幸せな表情を見て何かに気付く。虐待の鎖を断ち切る瞬間だ。
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Posted on 2018/09/16 Sun. 22:50 [edit]

category:   3) 母親の迷い

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『このママにきーめた!』感想  

(作:のぶみ、サンマーク出版、2017年)私は否定的だが売れているようだ。なぜだろう。自分の意思で子どもを産むということが強く言えない人、誰かに褒めてもらいたい、感謝されたいと思う人、外見を重視するという人、言葉が汚くても気にならない人(自分も平気で使っている人)、全てを軽いトーンにしたがる人(重い雰囲気が苦手な人)、生まれてくる赤子が大きな力を持っていると信じ、出来ることならダメな自分を支えて欲しいと赤子に期待したい人。そんな人が感動しているのだろう。私はこの世界を共感しないが、この絵本で癒されている人がいるとするなら、そのことは大切にしたい。
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Posted on 2019/08/31 Sat. 22:08 [edit]

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