『おそらにはてはあるの』感想  

(作:佐治晴夫、絵:井沢洋二、玉川大学出版部、2003年)晴れた夜に星空を眺める。想像を絶するほどに離れている。望遠鏡等で見れば無数の星が煌めいている。無限に広がる宇宙空間に無数の星。ロマンを感じる。・・・いや、まてよ。だったら無限の光がやってくるのでは? なぜ宇宙は暗いのか? 本書はそんな素朴な疑問を掘り下げていく。宇宙空間に「はて」があるというのが本書の結論。しかし再び疑問が出てくる。そのさらに先はどうなっている?空間のはてのその先は、「空間がない」ということになる。それは想像できない。よく考えれば時間にも始めと終わりがある。なんだか怖くなる。夜は眠れない。
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Posted on 2015/12/01 Tue. 22:43 [edit]

category:   1) 宇宙の仕組み

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『宇宙』感想  

(作・絵:加古里子、福音館書店、1978年)蚤は自分の身体の100倍も高く跳ぶ。それを人間に当てはめればすごい高さだ。人間は飛行機を使えば空高く、さらにロケットを使えば宇宙まで到達できる。並べてみればスケールの壮大さに気づく。乗り物や自然等まるで図鑑だ。音の壁や重力の壁についても説明される。本書は読者を旅に誘う。内容の全ては理解できなくても、壮大さやロマンは十分に感じることが出来る。月、惑星、太陽に目を向け、星の進化にも触れる。さらに離れて銀河系、アインシュタインの理論、宇宙の膨張と「果て」についても触れる。「ここが貴方の活躍する所です」は名言だ。
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Posted on 2015/12/01 Tue. 22:44 [edit]

category:   1) 宇宙の仕組み

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『天動説の絵本』感想  

(作・絵:安野光雅、福音館書店、1979年)絵本全体から歴史の重みが伝わる。古代の人々は月や星に神秘的なものを感じていた。中世においても神や悪魔といった観念で世界をとらえていた。それが錬金術や航海術の発達により、地球が丸くて太陽の周りをまわっているという仮説に到達する。振り子でも証明可能。しかし人々の意識は古いまま。一部の科学者は弾圧される。人々は科学よりも信念や伝統を重んじたのだ。冒険家が地球の一周を試みる。神様に無事を祈りたくなる。科学が進歩しても、祈る気持ちは残る。最後に地球儀が登場する。私たちは今なお、天動説の思考圏内にいるのかもしれない。
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Posted on 2015/12/01 Tue. 22:45 [edit]

category:   1) 宇宙の仕組み

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『こおり』感想  

(文:前野紀一 絵:斉藤俊行、福音館書店、2012年)かき氷を食べている間の親子の会話のであろう。子どもが全て理解できなくてもよい。興味を持つことが大切だ。氷の中央が白くなる、色付きの氷がない、水よりも固まっているはずなのに密度は軽い、等、気にしなければ永遠に何とも思わなかったことを、「なぜ」と問いかけることで科学は進歩する。水は、周りに(そして自分自身にも)いくらでも存在するのに、意外と知らない。美しい地球の風景は水の風景でもある。また、この本は科学入門書ではなく、絵本として成立している。中身は科学的だが描き方にファンタジーが入る点がとてもよい。
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Posted on 2015/12/26 Sat. 21:34 [edit]

category:   2) 物質の仕組み

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『どうぐ』感想  

(作・絵:加古里子、瑞雲舎、2001年)身の回りの道具。洗面具、文房具、台所器具など、良く見るとその形態や用途は様々である。パワーショベルはスコップと同じ原理だ。大きくて強い道具、小さな道具が複雑に組み合わされた自動車や時計などもある。それらによって人間の生活範囲は大幅に拡大した。仕事には道具が必要であり、道具によって私たちは便利になる。まさに全ての道具に人類の叡智や人間の優しさがつまっている。本書は、忘れてしまいがちな人類の文明を描く。ただしIT化などにより、私たちの生活から道具や仕事は見えにくくなってしまった。冷静に見つめ直して感動したい。
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Posted on 2015/12/27 Sun. 20:42 [edit]

category:   3) 建築の仕組み

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『あなたのいえ わたしのいえ』感想  

(作・絵:加古里子、福音館書店、1972年)やはり、家は必要だ。家となりうるためには何が必要か?風雨や天日から守るためには屋根がいる。壁も必要だ。出入り口がなくては困る。鍵もかけよう。床がないと寝られない。窓を忘れていた!台所や便所も必要。私たちが暮らす家について、私たちは工夫することで便利になっていく。…大人は、普段、気にすることはないが、子どもはしばしば意識することがある。例えばキャンプでテントを張る。森の中に秘密基地を作る。幼稚園の園庭でママゴトをする。それら生活体験の中で、ふと、これが本物の家だったらなと思うことがある。建築は、科学である。
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Posted on 2015/12/27 Sun. 20:43 [edit]

category:   3) 建築の仕組み

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『どろだんご』感想  

(作:たなかよしゆき、絵:のさかゆうさく、福音館書店、2002年)泥団子の製作過程が描かれる。土と水の適度のバランスが必要。ひんやり、べったりした感覚。まるめて、形を整える。表面にサラサラした砂をかける。ヒビが入ったら修復作業だ。ピカピカの泥団子が完成。完成したら強度の確認。その後は隠しておく。本書では、団子の方が人間の手よりもリアルに描かれる。最も初期の人類も、おそらくは泥団子を作ったと思う。私たちは自然の一部を切り取り、加工して作品にする。人間が人間である根拠はここにあると思う。最高傑作は、特別な場所に展示したい。特別な場所が見当たらないから、隠してしまうのである。
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Posted on 2016/01/13 Wed. 21:34 [edit]

category:   3) 建築の仕組み

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『しずくのぼうけん』感想  

(作:マリア・テルリコフスカ、絵:ボフダン・ブテンコ、訳:内田莉莎、福音館書店、1969年)村のおばさんのバケツから落ちた雫。蒸発して雲になり、雨となって落ち、岩場の上で氷になり、川に流れ込み、水道を経由して洗濯機へ。洗濯物を乾かせば再び蒸気となって外に出る。最後は氷柱だが、春になれば再び冒険が始まると予想できる。本書では、水が形を変えながら循環していく様子がよく描かれる。消えたように見えても物質は存在する。本書の特筆すべき点はこの文体だ。まるで演歌のナレーションだ。純粋に冒険物語として読むのではなく、名曲を聴くように、曲の風景を楽しむかのように読むとよいだろう。川の流れに身を任せるかのように。
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Posted on 2016/03/24 Thu. 21:35 [edit]

category:   2) 物質の仕組み

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『ちいさいひこうき』感想  

(作・絵:ロイス・レンスキー、訳:わたなべしげお、福音館書店、2005年)スモールさんは小さい飛行機のパイロット。点検、安全確認、準備をして出発。専門用語も含め記述は詳細である。出発してから水平飛行に移る。旋回したり宙返りをしたり、そこから見える風景についてのパイロットの心境、エンジントラブル等、かなりの情報量である。本書は「小さい」からといって嘲笑すべきではないこと、そこには複雑な人間の知恵と工夫が凝縮されていることを描く。一つひとつ丁寧に扱っていけば、大きなことを成し遂げることが出来る。そんな人間の素晴らしさを感じることができる。1938年作品。科学が光り輝いていた時代だ。
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Posted on 2016/03/25 Fri. 21:35 [edit]

category:   3) 建築の仕組み

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『しろいかみのサーカス』感想  

(作:たにうちつねお、写真:いちかわかつひろ、福音館書店、2009年)一枚の紙はとても薄くて弱い存在だ。しかし折ったり、まるめたり、組み合わせたりすれば、そこに強度が出る。細く切れば長くもなるし、うまく重ねればバネのようにもなる。当たり前のようだが、非常に重要である。建設現場の足組などはこの原理を応用している。真の強さとは固いことではなく、外からの力をうまくかわすことである。最後の頁では紙を太陽に見立てている。なるほど、形態を変えれば、何かを表現できるのである。一枚の紙から可能性を広げるのは創造力である。知恵であり、科学であり、豊かさである。創造力があれば人生は楽しくなる。
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Posted on 2016/03/25 Fri. 21:36 [edit]

category:   3) 建築の仕組み

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