『せかいでいちばんつよい国』感想  

(作・絵:デビッド・マッキー、訳:なかがわちひろ、光村教育図書、2005年)自分たちの軍隊が最も強い、それを証明するのは戦争である。戦争は破壊と略奪を繰り返す。しかし「国が強い」とはどういうことか?経済的な強さもあるし、文化的な強さ、心の強さなど、様々だ。文化の場合は、破壊や略奪を伴わない。歌ったり、笑ったり、楽しんだりすることで、人から人へと伝わる。二つの文化は混ざったり、重なったりする。世界の文化を共有してもいい。今の世の中に民族や文化の対立があるのは、おそらく相手を強制するからであろう。本書を見つめれば、国が強くなり、相手国を支配することがとても愚かなことに思える。
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Posted on 2011/12/10 Sat. 00:11 [edit]

category:   4) 強い国家を目指す

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『とき』感想  

(作:谷川俊太郎、絵:太田大八、福音館書店、1984年)前半では、恐竜時代から中世、近世と続く時代の変化を描く。後半では戦時中、戦後の復興と家族、わたしの誕生、祖母の死など生活の変化が描かれる。きのう、けさ、さっきという時間の流れを見て何を思うか。辛いことや悲しいことがあっても、時間は過ぎてゆく。多くの問題を解決してくれるのが時間だ。しかし幸せな出来事や感動的な経験も、全てを過去にしてしまう。時間は残酷だ。今を生きる全ての人に未来が与えられる。私達は歴史を背負って生まれてくるが、未来を作りかえることもできる。時間は、全ての人に平等に訪れる。生きる重みを感じる。
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Posted on 2012/01/18 Wed. 21:41 [edit]

category:   3) 歴史の流れ

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『サルビルサ』感想  

(作・絵:スズキ コージ、架空社、1996年)怒りを増幅させる人。彼は「やつらは危険だ」と叫んで人を集める。そんな人が国家同士の戦争を引き起こす。冷静で視野の広い人間は戦争なんかしない。二つの国の言葉は逆さにするだけで一致するほど似ているが、怒りの中では通じない。お互い全滅するまで殺し合いを続ける。カラスは、両国の言葉を知る。カラスは平和をもたらす力を持っているのだが、それはせずに知らん顔をする。戦争して滅んでしまう方が、カラスにとって好都合だからだ。強烈な絵は、人間の怒りと愚かさを見事なまでに表現している。

Posted on 2012/02/04 Sat. 20:21 [edit]

category:   4) 強い国家を目指す

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『ばべるの とう』感想  

(絵:かすや昌宏、文:佐久間彪、至光社、2015年)王様は、自ら神様になることを目指し、巨大な塔を建設する。あと一歩のところで塔は崩れ去る。神の逆鱗に触れたのだ。人々の言語はバラバラになりお互い通じなくなってしまった。これは、ファンタジーとして楽しめる話だ。私達は全ての頂点にたち、好きなように世界を動かしたいという欲求を持ってしまう。自分は神様だと勘違いしている人もいる。しかしどんな権威も、いつかは滅びるだろう。改めて思うが、世界中に多様な言語が生まれたのはなぜだろう。なお、本書の登場人物は全て横顔である。それゆえ読者は人間を客観的にとらえることができる。
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Posted on 2012/02/09 Thu. 21:53 [edit]

category:   4) 強い国家を目指す

thread: 絵本 - janre: 本・雑誌

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『せかいいち うつくしい ぼくの村』感想  

(作・絵:小林豊、ポプラ社、1995年)アフガニスタンはとても自然豊かで美しい国である。サクランボを売る人々の生活、温かな家族、街での出会い、親から子へ受け継がれる文化、多くが描かれ、最後の最後で全てが一瞬にして消え去る。これこそが戦争の恐ろしさである。この最後の文章を目にした後で、読者は何を想像するか。大切なのは想像する力である。本書は教科書に採用されているが、授業の中で想像させる時間はあるだろうか。また本書は続編(後日談)もあるが、それは読者の想像を奪ってしまうのではないか。現実の人間に悪魔はいない。地球の裏側を想像する力が平和をもたらす

Posted on 2012/07/07 Sat. 00:33 [edit]

category:   1) 戦争の悲惨さ、残酷さ

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『はらっぱ』感想  

(作:神戸光男、絵:西村繁男、童心社、1997年)戦前から戦後、現代にいたるまで同じ場所を描く。歴史と人々の生活を対比させて眺めよう。戦前の風景と人々の生活。戦争に突入した際にも、子どもたちは原っぱで楽しそうに遊ぶ。しだいに戦況が悪化してくると生活は苦しくなる。戦後、貧しい時代に子どもたちは再び明るく遊びだす。経済成長を遂げ、ビルや道路が整備され、ついに子どもたちの遊び場はなくなる。戦争、生活、子どもの存在が、歴史の重みの中で描かれる。喜びと悲しみ、会話と息遣いが凝縮される。個人は自由に生きるが、多くの人々と同じ時間と空間を共有し、そして時代を背負う。
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Posted on 2013/04/25 Thu. 22:53 [edit]

category:   3) 歴史の流れ

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『おしっこぼうや』感想  

(作・絵:ウラジーミル・ラドゥンスキー、訳:木坂涼、らんか社、2003年)平和とは何か。子どもが道端でおしっこをするようなことを指すと思う。子どもがおしりを出してみんな笑う。現代社会でそのような光景はあまり見ることができない。私達は人間の人間らしい姿を見つける機会を失う。人間を偶像化し、抽象化し、敵と味方に区別するから戦争がおこるのではないか。この絵本はたんに小便小僧の話にとどまらず、戦争と人間の関係を描いているように思える。

Posted on 2013/07/23 Tue. 23:55 [edit]

category:   5) 平和への一歩

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『おこりじぞう』感想  

(作:山口勇子、絵:四国五郎、金の星社、1979年)原爆である。本書は死の淵にある人間を、丸太やぼろ布のようだと表現する。悲しいが表現は適当だ。少女が苦しみ死んでいく。これが残酷であるのはなぜか?たんに少女が命を落とすからだけではない。人殺しが国家という目的によって正当化されるから。国家は、人々に安心や安全をもたらすが、一歩間違えれば死をもたらす。少女は、日本国民という理由で、この運命を引き受けることとなってしまった。おじぞうさまが怒っているのはなぜか?人々が戦争という道を食い止めることが出来なかったから。怒る主体がいるということは絶望の中の小さな希望だ。
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Posted on 2014/02/08 Sat. 19:35 [edit]

category:   1) 戦争の悲惨さ、残酷さ

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『むこう岸には』感想  

(作:マルタ・カラスコ、訳:宇野和美、ほるぷ出版、2009年)主人公の少女は広くて美しい心の持ち主だ。白のワンピース。絵本では、岸をわたった時の不安な気持ちがよく表現されている。この不安を乗り越えるのは、どちらかといえば女性の方だと思う。警戒し、武装するのはたいていは男だ。相手を信じておもいきって飛び込んでみよう。その先に幸福がある。川は、私達の心の中に流れ、冷たい風を運んでいる。橋をかけて川を渡れば私達の心が豊かになる。ただし川は消えてなくなるわけではない。自分と他人は完全には一致しないのだから。それを乗り越える力こそ、本当の勇気なのかもしれない。
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Posted on 2014/12/04 Thu. 22:02 [edit]

category:   5) 平和への一歩

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『ぼくがラーメン たべてるとき』感想  

(作・絵:長谷川義史、教育画劇、2007年)ぼくがラーメンを食べているまさにその瞬間に、隣りの子がテレビを見て、またその隣りの子がトイレにいて、さらに隣りの子がバイオリンを弾く。同じ時間を共有している。隣りの国では、自転車をこいでいる子がいる。さらに隣りの国では、子守をする子、井戸の水をくむ子、牛を引く子、パンを売る子、と続く。そして倒れている子がいる。世界には不幸な環境に置かれた子がたくさんいる。それを知らずにいることは残酷なことだ。遠くであっても風と空は、つながっている。それを感じてもなおラーメンをおいしく食べられるか?本書の風はとてもにがい。
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Posted on 2015/12/05 Sat. 22:57 [edit]

category:   2) 遠くの戦争を感じる

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